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半導体の種類について

半導体とは、導体と絶縁体の中間電気抵抗率を持つ物質になります。

物質はシリコン、ゲルマニウム、ガリウムヒ素、酸化亜鉛等、単元素のものや2種類以上の化合物、金属の酸化物等があります。

それぞれ不純物の導入や熱や光・磁場・電圧・電流・放射線などなどによって特性が大きく変化します。

半導体の種類についての図解

そんな半導体はさまざまな物に利用されていますが、特に皆さんがイメージしやすいのがICではないでしょうか。

「IC(Integrated Circuits:半導体集積回路)」とは、トランジスタやコンデンサ、抵抗などを一つの回路に集めた(集積した)ものです。

半導体の画像

高集積化することにより、機能を小型化したり、さまざまな機能を同時に実現したりすることができるようになります。

そして、「IC」の集積度をさらに高め、一つの「IC」に1000個以上の素子を収めたものが「LSI(Large Scale Integrated Circuit:大規模集積回路)」です。

その中でも、複数の「LSI」で構成していたシステム機能を一つの「IC」に全て収めたものを「システムLSI」と呼びます。

「システムLSI」の実現により、製品の低価格化、小型化、高性能化が可能となりました。現在では、たった数個の「LSI」で製品の機能を実現しており、「システムLSI」は製品の心臓部となっています。

本文では、前述の半導体化合物ではなくICに組み込まれているもの、ICを組み込んでいるものという観点で半導体の種類を紹介します。

半導体製品の例

①メモリ(Memory)

コンピュータにおいて、プログラムやデータを記憶する装置のことです。

「CPU(中央処理装置)」が高速にアクセスできる半導体記憶装置のことで、コンピュータの性能を大きく左右します。

ただし、「メモリ」は半導体素子を利用して電気的に記録しているため、機器の電源を切ると内容が失われるという欠点があります。

この難点を補うために、コンピュータには外部記憶装置として「ハードディスク」などを装備しているのが一般的です。

つまり、「メモリ」の性能が良いコンピュータでは情報処理の能力が高く、「ハードディスク」の性能が良いコンピュータでは多くの情報を保存しておくことができるということです。

「メモリ」には大きく分けて2種類あり、以下のように分類できます。

RAM(Random Access Memory)

データの読み出しと書き込みができるメモリのことです。

さらに、「SRAM」「DRAM」などに細かく分類できます。

ROM(Read Only Memory)

データの読み出し専用のメモリのことで、主にプログラムを記憶させているものです。

さらに、「マスクROM」「PROM」などに細かく分類できます。

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②ダイオード(Diode)

電気の流れを一方通行にする部品で、半導体を用いた基本的な部品の一つです。

「ダイオード」によって、家庭用電源から流れる交流電流を直流電流にしたり、製品内での電流の逆流を防いだりすることができます。

その他に、回路内の電圧を一定に保って電圧がかかり過ぎることから回路を保護したり、ラジオなどの無線信号から音声信号を取り出したりすることができます。

その種類をいくつか紹介します。

整流ダイオード

電気を一方向にだけ流すので整流用に用いられ、電源回路や保護回路として活用されています。

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検波ダイオード

無線信号から音声信号を取り出せることを利用して、ラジオなどに活用されています。

定電圧ダイオード

逆方向に電圧をかけると一定の電圧で電流が流れる現象を利用し、電源回路に活用されています。

フォトダイオード

光を感知すると電流の量が変化する仕組みから、センサや光通信に活用されています。

LED

「+」と「-」の電気がくっつくと打ち消し合うときに光を発生させる現象を利用し、照明に活用されています。

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③トランジスタ(Transistor)

電気の流れをコントロールする部品で、いろんな電子回路に利用されるとても重要な部品です。

「トランジスタ」よって、小さな電気信号を増幅させたり、信号によって電気を流したり止めたりすることができます。

この「トランジスタ」が開発されるまでの電子機器には「真空管」が使われていました。

小型化が難しかった「真空管」に代わって「トランジスタ」が開発されたことによって、電子機器を小型化、高性能化させることができるようになりました。

真空管ラジオやブラウン管テレビなどに代わり、携帯用ラジオや薄型液晶テレビが開発できるようになったのもこのためです。

そして、昔は一部屋を占領するほど大きかったコンピュータを手のひらサイズにまで小型化できたのも「トランジスタ」のおかげです。

その種類をいくつか紹介します。

バイポーラ型トランジスタ

電流の変化で、電圧の変化を作り出します。

ユニポーラ型トランジスタ

電圧の変化で、電流の変化を作り出します。

フォトトランジスタ

光信号によって電流を制御します。

サイリスタ

一度電気が流れるとオンのままになります。

    

★サイリスタについてもっと詳しく知りたい方はこちら

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④アクティブフィルタ(Active Filter:)

高調波電流に対し、逆位相の電流を流して高調波電流を打ち消す機能を持つフィルタのことです。

高調波とは、交流のひずみ波のことです。

この高調波は電気回路に悪影響を及ぼすので、電気設備の不具合を誘発する恐れがあります。

そのため、高調波対策として「アクティブフィルタ」が用いられます。

ハイパスフィルタ」や「ローパスフィルタ」などがあります。

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⑤アンプIC

一般に、電気信号を増幅させるための機器や装置を「アンプリファイアー(Amplifier)」または「アンプ」と言いますが、それを組み込んだ集積回路を「アンプIC」と呼びます。

電源から電力を供給され、入力信号よりも大きなエネルギーの出力信号を得るためのものです。

電気信号のエネルギーを大きくするほかに、発振回路や演算回路にも活用されています。

★リニアアンプ/オペアンプ/バッファアンプ製品を探す

⑥PLD(Programmable Logic Device)

完成した製品の論理構造をプログラミングによって変更できる特徴をもった「LSI(大規模集積回路)」の総称です。

開発、製造期間を短縮できたり、コストを抑えて個別用途に特化させたりすることなどが可能になります。

「PLD」には、「CPLD(Complex Programmable Logic Device)」や「FPGA(Field Programmable Gate Array)」などの種類があります。

⑦CPU(Central Processing Unit:中央処理装置)

コンピュータの中でデータの演算処理を行う装置のことを呼び、コンピュータの頭脳部分と言えます。

「制御装置」「演算装置」「記憶装置」「入力装置」「出力装置」をコンピュータの五大要素と言い、「CPU」はその一つとなります。

一度に扱うことのできるデータの量と、データを出し入れするスピードによってコンピュータの処理性能が決定します。

「CPU」の設計においては「Intel社」が最大手として有名で、「Pentium」や「Celeron」などの製品が代表的です。

また、「AMD社」の「Athlon」シリーズも拡大中です。

以上のように紹介しましたがこれでも半導体製品の内、一部でしかありません。

今や半導体は、私たちの暮らしには無くてはならない物となっています。

今後も技術や発見、発明はさらに進み、より扱いやすく機能性に優れた半導体物質や製品が生まれていくことになるでしょう。