ACアダプターとは?仕組みや用途、選び方を徹底解説!

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アダプタ

ACアダプター(以下アダプター)を利用したことがない、という方はいらっしゃらないでしょう。

黒くて四角くて、ちょっと重いな、と感じることもあるかもしれませんね。

そんな身近な電子機器ですし、名称もよく聞くのではないでしょうか。

アダプターは、ご自宅のコンセントからスマートフォンを充電したり、ノートパソコンに電源供給を行ったりするために使う、電源回路の一種です。

でも、電化製品にはアダプターが必要ない場合も多いですね。

いったいこのアダプターとは、どのような用途で用いられているのでしょうか。

また、製品に付属していたアダプターが壊れた場合、どの新品を購入すればいいのでしょうか。

この記事では、知っているようで知らない身近なアダプターについて徹底解説いたします。

1. アダプターとは?

英語でadaptor(またはadapter)と表記するこちらの電子機器。

直訳すると「適合させるもの」という意味の通り、お家や商業施設のコンセントから供給される電源を、対象機器に適合させるためのものとなります。

と言うのも、コンセントなどから出てくる商用電源は交流電圧です。

しかも日本国内でも100V(周波数は50~60Hz)と、きわめて高圧な数値となります。

規格が異なる海外ではさらに高い場合が多く、ヨーロッパ・オセアニアでは240Vという地域もあります。

しかしながらほとんど全ての電子機器は、直流電圧で駆動します。

また、必要とする電圧も0.8V~20Vほど。

ちなみになぜ商用電源は交流なのかと言うと、世界的に送電が始まった19世紀当時は直流電圧の上げ下げが容易ではなく、実際に必要な電圧を供給するために昇・降圧が比較的簡単であった交流電圧が採用されたためです。

現在では直流電圧でも昇・降圧が可能ですが、やはり交流電圧の方が手間はかからないため主流であり続けています。

そんな背景もあり、電子機器を駆動させるには交流電圧を降圧・整流して安定した直流電圧に変換させなくてはならず、その役目を担うのがアダプターとなります。

ところでアダプターって、結構重いな、とか大きいな、とか思ったことはありませんか?

それは、アダプターには交流電圧⇒直流電圧に変換するための様々な回路が内蔵されているためです。

この重量のある変換回路は、洗濯機や冷蔵庫など、一般的な家電製品であれば既に内蔵されているためアダプターは必要ありません。

ノートパソコンやスマートフォン、デジタルカメラ、ウォークマンなど持ち運ぶことが前提で、小型·軽量化が望まれる電子機器にはこの変換回路を搭載させず、アダプターで適宜電源供給を行ったり充電したりすることで代用させる、というわけです。

そのためアダプターは「AC電源」「充電器」などと呼ばれることもあります。

なお、ここまで交流電圧⇒直流電圧に変換するAC-DCアダプターについて解説いたしましたが、変圧のみを行うAC-ACアダプターも存在します。

後者は日本の電化製品を海外で使ったり(前述の通り、送電の規格は地域によって異なるため)、より低電圧下が求められる機器の使用などに用いられたりしています。

ただし直流電圧⇒交流電圧(逆変換)を行うのはアダプターの仕事ではありません。

2. アダプターの原理·仕組み

アダプターには、トランス(変圧)式とスイッチング式とが存在します。

まず、トランス式について解説いたします。

トランス式とは、アダプター内部にトランスという変圧器を内蔵させることで電圧降下を行う仕組みになります。

このトランスは、一つのコアに二つ以上のコイルを巻きつけたような基本構造をとります。

電圧を印加する入力側のコイルが一次コイル、出力側を二次コイルとした時、一次コイルに交流電圧を印加するとファラデーの法則により磁場が発生します。

共通のコアを持つ二次コイル側にも磁場が貫かれ、結果として電流が流れます。

印加される交流電圧が変わるとそれに伴い磁場も変化していくこととなりますが、一次・二次側のコイルの巻き線比を変えることで磁場を任意に変化させ、所望の出力電圧をとるのがトランスの役割となります。

なお、一般的に一次コイルより二次コイルの巻き数が小さいとその分出力電圧も小さくなります。

こうしてトランスによって降圧された交流電圧は、その後ダイオードなど整流作用のある半導体を通って直流へと整流されます。

とは言えまだ波形の変動が見られるため、コンデンサやチョークコイルを用いた平滑回路を設け、安定した力流電圧を取り出す、というのがトランス式アダプターの基本原理です。

ただ、簡易的な平滑回路だと、平滑した後も脈流(リプル)と呼ばれる一定ではない飛び飛びの波形変動が見られ、安定した直流電圧とは言えません。

これは、より高精度な機器では適切でないため、シリーズレギュレータまたはスイッチングレギュレータといった安定化回路を設けて、さらにまっすぐな直流電圧を得るものもよく出回ってきました。

トランス式アダプターは、トランスが組み込まれていることからずっしりと重くボリューミーです。

そこで注目されたのが、1950・1960年代頃から開発が進んでいたスイッチング電源です。

これはトランジスタやMOS FETなどを用いて高速スイッチングを行い、入力された交流電圧をパルス状に区切る仕組みになっています。

そのまま電流の波動をならし、平坦にして直流電圧を取るのですが、この時周波数の異なる電力や信号を組み合わせる・あるいはならすことが同時に行えるため、トランスなしに降圧することが可能です。

こういったトランスレス式電源は、トランスと異なり放熱しないため燃費が良く高効率。

おまけに小型・軽量化が可能とあって、急速に広まることとなりました。

1990年代に入ると、アダプターもこのスイッチング式が用いられるようになります。

ちなみにスイッチング式アダプターにも安定化・非安定化で大別することができますが、小型充電器など一般によく用いられているのは後者の非安定化式です。

多少の脈流があったとしても、小型電子機器の充電用途であれば、問題のない場合がほとんどであるためです。

ただしスイッチング式はどうしてもノイズが発生してしまいます。

そのため音楽プレイヤーなど音響系の電子機器に対しては多少大きくなってしまってもトランス式が重宝される傾向にあります。

なお、トランス式であろうとスイッチング式であろうと、コンセントに繋いだままにしておくと小さいながらも電流が流れてしまい、いわゆる待機電力が発生します(特に安定化回路があるものは顕著。自己消費電力があるため)。

そのため使っていない時は、コンセントからアダプターを外しておくようにしましょう。

3. アダプターの構造

基本的にアダプターは、差込プラグ・本体・出力側コネクタで構成されています。

① 差込プラグ(電源プラグ)

差込プラグは、私たちがコンセントに直接差し込む部分です。交流電圧が入力される部分、ということですね。

アダプター本体に直接ついているもの・本体からケーブルで接続されているものがあります。

このケーブルは固定されているものもあれば、付け外しが可能な電源コードのようなものもあります。

小型のものだと本体に直に備わっているものが多くなります。

基本的に差込プラグは、地域ごとに工業規格で標準化された形状が統一されています。

逆に言うと海外旅行など別の地域で国内アダプターを使いたい場合は、変換アダプターを別途用意する必要があります(アダプターの中には全世界対応とするものもあり)。

日本はAタイプとなり、これはアメリカやカナダ、中国などと」共通です。

また、ケーブルで接続されている着脱式のタイプであれば、交換して海外仕様に適応させることも可能です。

② 本体部分

本体部分は、アダプターと聞くとパッと思い浮かぶ、黒い角型フォルムの部分です。

トランスまたはスイッチングレギュレータ、整流回路、安定化回路などを収めたアダプターの心臓部となります。

とは言え角型だけではありません。

L字型やストレート型、丸型などもラインナップされており、近年では本体機器のカラー・フォルムなどと統一感を持たせたスタイリッシュなタイプも存在します。

大きさは前述の通り内部構成によって異なりますが、出力電力が大きいほど、本体も大きくなる傾向にあります。

なお、トランス式の場合は発熱対策として冷却ファンやヒートシンクなどを搭載するため、さらに大型になることも。

また、アダプターの本体部分の表面には、定格や安全基準マーク、取扱に関するマークなどがシールで貼付されたり本体に直接記載されたりしています。

③ 出力側コネクタ(DCプラグ)

対象となる電子機器に直流電流を供給するためのコネクタです。DCプラグと呼ばれます。

本体部分と接続されたケーブルの先端に取り付けられたものがほとんどですが、コネクタ自体の形状や大きさ、ピン数は製品によって異なります。

EIAJ 極性統一プラグ(現JEITA:電子情報技術産業協会)によって標準化された規格もありますが、メーカー独自のものを生産しているところも少なくありません。

そのため製品に合ったコネクタを持つアダプターを選ぶ、というのは基本となります。

選び方については次項で詳しく解説いたします。

また、コネクタのピンによって、送る電力の極性が異なります。

ちなみに異なる極性で繋いでしまうと機器の劣化や破損を招くので注意しましょう。

電子機器の差込口付近に極性記号が記載されているので、そこで確認します。

黒丸と+記号が繋がっているものはセンタープラス(ピンの内側がプラスということ)、黒丸と-記号が繋がっているものはセンターマイナス(ピンの内側がマイナスということ)となります。

プラグの向きで使い分けできるタイプの製品もありますが、その場合も機器自体の極性を必ず確認しなくてはなりません。

4. アダプターの様々な用途やメリット

アダプターの用途と聞くとまず電源供給や充電が思いつきますね。

アダプターがあることによって電源変換回路を本体機器から分離でき、機器の可搬性や収納性を高められたことは、あらゆる産業にとって大変意義深いことです。

また、デザイン面でも自由度が高まることとなりました。

加えて、コンセント形状や電源電圧の異なる国でも、変換機や変圧器を利用することで国内製品を使える、というメリットも挙げられます。

さらに、アダプターの用途はこれだけではありません。

電源変換回路が機器から分離されるということは、それだけ電源部分から生じている熱やノイズの影響を受けないことを意味します。

つまり、安全で高精度な機器動作を実現するのにうってつけ、というわけですね。また、機械的な構造が少なくなる分、衝撃や振動への耐性を持ちます。

電源回路の寿命に左右されず、アダプターを交換することで同じ機器を使い続けていく、というエコにも繋がります。

メーカー側にとっても、アダプターの存在がコスト削減に大きく寄与しています。

本体価格を電源変換回路が内蔵された製品より安く製造することができますし、製造部品や工程を低減することで開発費用を抑えることが可能です。

このように幅広いアダプターの用途によって、様々なメリットを享受することができるのです。

5. アダプターはどう選ぶ?

実際にアダプターを購入する際、どのように選ぶかは重要です。

前述の通り、規格が必ずしも統一されているわけではないためです。

基本的には本体製品に付属していたアダプターを使うことをお勧めしますが、壊れてしまったりなくしてしまったりすることもありますよね。

そんな時は、以下のフローに沿ってご購入くださいませ。

なお、「合うかわからないけど本体とつないでみる」のは大変危険です。

機器の破損の原因にもなりますし、そういったケースの多くは補償対象外になってしまうので止めておきましょう。

① コネクタのピンの規格を確認しよう

ピンの種類は規格によって標準化されていますが、その規格自体がいくつかの種類に分かれます。

それぞれで形状や口径(ピンの外径×内径×長さ)・対応電圧が異なり、機器に合わないものだとそもそもつなぐことができません(無理やりつなぐと接続部が破損してしまいます)。

例えばEIA規格のEIAJ-1では、ピンの外径は2.35mm、内径は0.7mm、長さは9.5mmです。

形状は基本的にストレートタイプかアングル(L字型)タイプとなります。

また、極性も併せてご確認ください。

基本的にEIJAであればセンタープラスが主流ですが、メーカーによっては極性が製品によって異なったり、センターマイナスを採用したりしているものもあります。ちなみに音響機器などはセンターマイナスが多くラインナップされています。

どの規格が良いかは対象の電子機器の規格を事前に確認しておく必要があります。

取扱説明書やメーカーホームページでご確認ください。以前に使っていたアダプターで確認することも可能です。

なお、AC-ACアダプターには極性はありません。

② アダプターの出力電圧·電流を確認しよう

電子機器によって対応している電圧·電流は異なります。

アダプター差込口近くなど、製品に「〇V/〇A」などと記載された数値をご確認のうえ、アダプターをお選びください。

メーカーホームページでもご確認いただけます。

電圧に関しては、全く同じ数値のアダプターを選びます。アダプターの電圧が低いと動作せず、高いと故障する場合があります。

電流も一致していることが好ましいですが、こちらは全く同じものを選ぶ必要はありません。

ただ、アダプターの電流が低いと故障する可能性があります。

また、大きすぎても過電流などが生じた場合に機器にそのまま流れ込んでしまうことが考えられます。

そのため同一電流のアダプターがなければ、機器が対応する電流よりも高く、かつ最も近い数値にある電流のものを選びましょう。

例えば1Aであれば1.5A、などといった要領です。

③ 汎用アダプターを選ぶのも良い

機器によっては互換できる汎用アダプターも販売されています。

ただし、コネクタのピンの規格(形状、口径、極性)が合致していなくてはなりません。

また、トランス式とスイッチング式をごっちゃにしたり、安定化された電源電流を必要とする機器に対して安定化回路のない製品を使用したりすることはできません。

当然ながら出力電圧・電流も確認する必要があります。

ただ、汎用アダプターも様々です。

例えば出力電圧・電流を任意のものに可変できるものもあります。

いわゆるマルチ電源アダプターなどと呼ばれるものです。

こういった汎用性にフォーカスされた製品はコネクタを差し替えることで電子機器に合ったピンを採ることができます。

汎用アダプター自体は専用品に比べるとやや高額ですが、単体で販売されている変換コネクタと一緒に用いることで、様々な電子機器に対応でき、非常に便利です。

また、USBコネクタを持つことで、主に充電用途で活躍する汎用アダプターも存在します。

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