ここまでのおさらいですが、不純物をまったく含まない高純度単結晶の半導体が真性半導体でした。
この真性半導体に、不純物として「リン」などのように電子が余る原子を添加したものが「N型半導体」でした。
そして、「ボロン」などのように電子が不足する原子を添加したものが「P型半導体」でした。
では、「N型半導体」と「P型半導体」を接触させるとどうなるでしょうか。
接触面では、「N型半導体」にいた自由電子が「P型半導体」にあった穴に向かって移動します。
これは、結合するものの濃度が違うときにお互いが交じり合って均一な濃度になろうとする現象です。
このときの電子の移動によって、「P型半導体」から「N型半導体」へと発生した電流を「拡散電流(Diffusion Current)」と言います。
また、このとき接触面では、自由電子が穴を見つけられていくので、穴や自由電子が少ない領域が作られます。この領域を「空乏層(Depletion Layer)」と言います。
空乏層内の穴と自由電子が消滅することによって、N型半導体側の空乏層では電子を失うことになり、半導体としてはプラスの電気を帯びたことになってしまいます。
反対に、P型半導体側の空乏層内では電子が増えたことになり、半導体としてはマイナスの電気を帯びたことになってしまいます。
そうなると今度は、プラスの電気を帯びた「N型半導体」からマイナスの電気を帯びた「P型半導体」へと流れる電流が発生します。この電流を「ドリフト電流(Drift Current)」と言います。
やがて、「拡散電流」と「ドリフト電流」が釣り合うようになります。