電子機器には搭載必須!?ノイズを除去するEMIフィルタとは?

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電子機器が当たり前のように身近となった昨今、ノイズ対策は大きな課題となっています。

なぜなら、電子機器が増えれば増えるほど、そして高性能になればなるほど機器同士でのノイズ干渉が起こりやすくなるためです。

そんな時代に活躍しているのが、EMIフィルタ(EMI除去フィルタ)です。

例えばスマートフォンには、1台あたりに20以上ものEMIフィルタが搭載されていると言います。

でも、そんなEMIフィルタとは・そしてEMIとはどのようなものなのでしょうか。

この記事では、EMIおよびEMIフィルタについて解説いたします。

EMIフィルタとは

1. EMIとは?

EMIはElectro Magnetic Interferenceの略称です。

日本語に訳すと、電磁障害や電磁妨害などと呼ばれることもありますが、つまりは電磁ノイズです。

別名として、RFI(Radio Frequency Interference)が使われることもあります。

電磁ノイズに影響を受けた電子機器は、誤動作を起こしたり予期せぬ電流が流れてしまったり、最悪のケースになると機器の劣化や破損に繋がる場合があります。

また、そこまで大ごとでなかったとしても、スマートフォンの電波がとぎれとぎれになったりオーディオに雑音が入ったりすると、とても不便ですよね。

電磁ノイズ自体は、自然界にも発生しています。

例えば雷や静電気,オーロラ等が有名です。

一方で電子機器から発せられるノイズは、人工ノイズとして分類されます。

冒頭で「電子機器が増えれば増えるほど」ノイズ干渉が多くなる、と述べましたが、電子機器がそれぞれ発する人工ノイズによって、影響を受けたり影響を及ぼしたりする場合があるため、このように言うことができるのです。

この電磁ノイズが機器に侵入してしまうことをイミュニティ(またはサセプティビティ)と呼びます。

反対に電磁ノイズを発することをエミッションと呼びます。

つまり、電子機器はイミュニティ・エミッションどちらの可能性もはらんでいることがわかります。

さらに近年の電子機器は高性能なものが多く、スピーディーなためクロック周波数が高くなる傾向にあります。

すると高周波粋の電磁ノイズが発生し、やはり広範囲の電子機器にノイズ干渉してしまいます。

ちなみに、電子機器の内部の回路からエミッションを起こすケースもあります。

こういった背景から、EMI対策を採る必要に私たちは迫られています。

そこで開発されたのが、後述するEMIフィルタです。

なお、似た用語としてEMSEMCというものがあります。

EMSとはElectro Magnetic Susceptibilityの略称で、直訳すると電磁ノイズに対する感受性です。

これは前述したイミュニティを指しており、電磁ノイズによって干渉された状態であることを示します。

EMCとはElectro Magnetic Compatibilityの略称で、直訳すると電磁ノイズの互換性です。

電磁両立性と呼ばれることもあります。

これはイミュニティ・エミッション対策が採られた電子機器または回路を指し、電子機器のより高精度な動作のために達成すべきノイズ対策です。

広義の意味では、EMIフィルタもEMCの一環と言えます。

2. EMIフィルタとは?

電磁ノイズをフィルタリングするための電子部品がEMIフィルタです。

ノイズ対策を行う場合、「良い信号」「悪い信号」を選別するフィルタと、金属等の物理的な囲いで電磁界を周囲から独立させるシールドとが用いられます。

どちらか一方だけの場合もあれば、両方使われることもあります。

そしてEMIフィルタは、前者に該当します。

そんなEMIフィルタは部品の総称となり、セッティングされる場所や形状によって様々な種類があります。

その全てを網羅することは大変ですが、代表的な種類分けとしては、まず「セッティングされる場所」が挙げられます。

これは、電源入力部分・出力部分・信号伝搬部分のどこにセッティングされるか、ということ。

それぞれでアダプタタイプとなっていたり、プリント基板に実装できるタイプとなっていたりします。

また、ノイズの伝導形態がコモンモードかディファレンシャルモードかによっても使われるEMIフィルタは異なります。

信号は発信されると、回路を通ってまた元の位置に帰ってくることとなります。

その戻ってくる際は波形が逆位相になりますが(Uターンをイメージして頂ければと思います)、これをディファレンシャルモードあるいは通常時の伝送の仕方であるため、ノーマルモードと呼ばれます。

しかしながらこのUターン信号が入力時と同位相になることがあります。

これがコモンモードです。

コモンモードでのノイズの伝わり方はより複雑となるため、それぞれで適したEMIフィルタを用いることが望まれます。

なお、ノイズフィルタは多くの場合、高域周波数をフィルタリングすることで適切な信号を取り出しています。

このフィルタリングにはいくつかの種類がありますが、多くのEMIフィルタではローパスフィルタが用いられています。

ローパスフィルタとは入力信号に対して並列にコンデンサを、直列に抵抗を接続した回路で、RCフィルタと呼ばれることもあります。

ローパスフィルタは、低域周波数を通過させ、高域周波数を遮断することに長けています。

なお、前述の通り、シールドもEMIフィルタも両方使われる場合がありますが、物理的な囲いを有するシールドはボリュームが出てしまいやすく、また搭載にコストがかかる傾向にあります。

そのため電子機器の小型軽量化が進む昨今では、EMIフィルタがますます主流となってきています。

そんなEMIフィルタもさらに小型化が促進されており、安心して電子機器を使うことのできる社会を実現しています。

★コモンモードについて詳しく知りたい方はこちら

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3. まとめ

EMIおよびEMIフィルタについて解説いたしました。

EMIとは電磁障害または電磁妨害を意味し、
電子機器から発せられたノイズが、機器同士で干渉しあってノイズとなってしまう現象であること。

これらは予期せぬ故障や機器の破損を招くため、対策としてEMIフィルタが欠かせないこと。EMIフィルタと一口に言っても、ノイズの伝導形態等によって使われる製品が異なることをご理解頂けたでしょうか。

今や電子機器には欠かせないEMIフィルタ。

今お持ちのスマートフォンやタブレット端末にも搭載されておりますので、ぜひこの機会に知っておきましょう!


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