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LEDドライバーって何?どんなことができるの?

素材によって様々な光を発し、おまけに長寿命かつ省エネなLED

今や私たちの生活には欠かせない存在ですね。

一方でLEDはその構造上、電流の値や周囲温度、あるいは個体によって明るさが異なります。

近年では様々なデバイスにいっそう精密な制御が求められていることもあり、不安定な駆動は望ましくありません。

そこで重要なのがLEDドライバーです。

LEDの普及とともに、LEDドライバー市場もまた拡大の一途をたどっています。

この記事では、LEDドライバーについて解説致します。

1.LEDドライバーとは?

LEDドライバーはLEDを駆動させるための回路です。

もっとも、ただ駆動させるのみならず、そのデバイスの機能に適したLED駆動を実現するための回路となります。

なぜなら、冒頭でも述べた通り、LEDは条件によって明るさにバラつきがあるためです。

LEDとはLight Emitting(発光) Diodeの略称で、日本では発光ダイオードの呼び名でも知られています。

その正体はpn接合ダイオードで、アノード(p型半導体側の電極)を電源のプラスに、カソード(n型半導体側の電極)をマイナスに繋げて電圧印加すると、正しく発光する、というもの。

この方向のことを順方向と呼び、この時に流れるLEDの電流を順方向電流(順電流)と言います。

LEDの明るさは、順方向電流の値に比例しています。

つまり電流がたくさん流れれば流れるほど、明るく発光するのです。

LEDを所望の用途まで発光させるには、ある程度の電流が必要となってきます。

しかしながら、必要以上に電流が流れるとエネルギー効率が悪いことはもちろん、機器の破壊に繋がってしまいます。

また前述の通り、周囲温度や個体によっても同じ電流下での明るさにバラつきが生じがちです。

これはLEDを並列接続した際、如実に現れてくるでしょう。

LEDそれぞれの条件が異なることに加えて、同一電源から電圧印加した時、何もなしにLEDそれぞれの電流値を均一にすることは難しいためです。

LEDを安定して所望の用途に適した発光を促すには、制御装置が欠かせません。

そしてこの制御装置こそが、LEDドライバーというわけです。

LEDドライバーがLEDに一定の電流を流すことで、LEDの明るさにばらつきなく、安定的に高精度を発揮することができるのです。

このようにLEDドライバーは所望の発光を安定的に促すことが可能となりますが、これ以外にも様々な利用のメリットがあります。

明るさを段階的に調節する「調光」がしやすくなったり、エネルギー効率が向上したり、また製品や用途にもよりますがパーツ数を減らしてコスト削減や省面積化に繋がったりするといった役割があります。

近年では家庭やオフィスはもちろん、車載用途などでLEDの普及はますます加速しており、その市場を拡大させているLEDドライバー。

これに伴い、様々な用途やサイズ、あるいは価格帯のLEDドライバー製品がラインナップされているので、ご用途に最適な一つがきっと見つかるはずです。

2. LEDドライバーでできる調光制御

前述の通り、LEDドライバーを使えば調光も容易に行うことが可能となります。

調光制御するドライバーを用いれば、LEDの明るさを強くしたり、あるいは明るすぎる液晶ディスプレイを少し弱めたりといったことが可能になり、とても便利ですよね。

この調光手段にはいくつかあるのですが、LEDドライバーでは「電流調光」「PWM調光」が挙げられます。

電流調光はアナログ調光とも呼ばれ、文字通りLEDの供給する電流を変えることで調光を行う方式です。

とてもシンプルで、電流を増やすことで明るく、逆に電流を減らすことで明るさを弱めるといった手法です。

構造自体もシンプルで、可変抵抗器などを搭載することで任意の調光を行えるといったメリットが存在します。

一方で電流値によって色味が変わってしまったり、幅広い電流範囲対応のLEDドライバーが必要となったりといった課題もあります。

PWM調光はPulse Width Modulationの略称で、このPWMというのは半導体の制御方式としてよく出てきます。

簡単に言うと、オンオフのスイッチによって電力制御する、というもの。

LEDの調光制御においても、LEDを高速でオンオフさせることで明るさを調整しています。

ここでは調光時、LEDドライバーは点灯時間・消灯時間それぞれの割合を制御します。

点灯時間を長くすることで明るくなっているように見え、逆に消灯時間の方を長くすることで暗くなっているように見える、という原理です。

このオンオフ比の調整のことをPWM信号のデューティー(DUTY)比と呼ぶこともあります。

このオンオフは人の目では捉えられないほどの高周波かつ高速となっているため、「ちらつき」などは視認できず、明るさが段階的に変化しているように見えます。

オン時に流れている電流値は変わらないため、電流制御の時に問題となっていたような色味の変化がなく、また制御できる明るさの範囲も広くなる傾向にあります。

電流があまりに低いと光度が変化してしまうものですがPWMではDUTY比の変化での制御であるため、明るさを弱めたい時、より弱められるといった自由度を獲得しています。

ただしPWM調光は、人によってはちらつきを視認してしまう場合もあります。

なお、多くのLEDドライバーは電流調光・PWM調光が使えますが、中には電流調光に対応していない機種もあるため、購入時には気をつけましょう。

3. まとめ

LEDドライバーについて解説致しました。

LEDドライバーはLEDの「条件によるバラつき」を制御し、安定した高精度を発揮させるためのデバイスであること。

また調光にも一役買っており、PWM制御によって暗さも調節できること。

近年ではLEDの普及によって、いっそうLEDドライバーの市場が拡大し、製品展開も豊富になっていることなどをお伝えできたでしょうか。

私たちに身近な製品LEDの、陰の立役者と言えるのがLEDドライバーです。