市場を拡大し続ける半導体メモリ。その特徴や種類を徹底解説!

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「DRAM」「フラッシュメモリ」という用語を、一度は耳にしたことがあるでしょう。

これは集積回路(IC)の中でも記憶素子に分類されるもので、一般的には「半導体メモリ」「メモリ」と総称されます。

パソコンやスマートフォン,デジタルカメラやデジタル家電といったあらゆる機器のデータ保存に用いられており、かつIoT社会も追い風となって、現在市場を拡大し続けている一大素子です。

とは言え「名前は聞いたことあるけど、どんなものかわからない」といった方も少なくないでしょう。

この記事では、半導体メモリの特徴や覚えておきたい種類を徹底解説致します!

半導体メモリとは

1.半導体メモリとは

メモリとは、データの記憶保持のための素子です。

現在のデジタル家電には、必ずこのメモリが搭載されることとなります。

そしてメモリの容量が大きければ大きいほど、機器のスペックは高くなります。

とは言えメモリの形態は様々です。

例えば、磁性メモリに分類されるHDD(ハードディスクドライブ)

保存できるデータ容量が大きく、また比較的安価であるため、コンピュータやゲーム機器に用いられてきました。

しかしながらHDDは消費電力が大きく、また円盤に磁性体を塗布するといった機械的構造を持つがゆえに衝撃に弱いというデメリットを有します。

そこで、年々シェアを広げているのが半導体メモリです。

半導体メモリはHDDのように円盤を用いるのではなく、コンデンサやトランジスタといった半導体で電気的にデータを保持することが特徴となります。

磁気性やその他記憶装置を搭載する必要がないため小型軽量化が容易で、スマートフォンやウェアラブル端末といった小型電子機器への応用が可能

また、機械的構造が少ないため低消費電力で、かつ衝撃に極端に弱いということがありません。

さらにはデータの書き込みや書き換え,データ消去は電気回路の信号で行うため、高速動作が可能となっています。

HDDに比べると製造コストがかかり、高価格になりがちというデメリットを抱えますが、市場は堅調で、半導体メモリは2022年にはその規模が過去最高額を更新するであろうと予測されています。

なお、半導体メモリは大きく分けて「揮発性メモリ(Volatile Memory)」「不揮発性メモリ(Non-Volatile Memory)」の二種展開です。

揮発性メモリは電源を切ると記憶したデータが失われてしまうもので、不揮発性メモリは電源供給が絶たれたとしてもデータを保持するものとなります。

なお、メモリはさらにデータの読み書きが共に可能なRAM(Random Access Memory)と記録データを読み込むのみで、書き換えはできないROM(Read Only Memory)とにさらに種類分けされますが、半導体メモリの多くはRAMに分類されます。

次項では、知っておきたいそれぞれの半導体メモリの種類について解説致します。

2.知っておきたい半導体メモリの種類

半導体メモリの種類を、揮発性と不揮発性に分けてご紹介致します。

① 揮発性メモリ

前述の通り、電源が切れてしまうとデータが失われてしまうタイプの半導体が揮発性メモリです。

最もよく聞くのが、DRAM(Dynamic Random Access Memory)SRAM(Static Random Access Memory)ではないでしょうか。

DRAMはコンピュータのメインメモリやデジタル機器の作業用データ保持に用いられます。

ちなみに読み方は「ディーラム」です。

仕組みとしては、メモリ内に数多くのコンデンサを搭載させ、このコンデンサに電荷が蓄積されている状態を「1」、電荷が失われている状態を「0」とします。

ちなみにコンデンサに電圧印加するため、制御を行うトランジスタが一緒に搭載されることとなります。

コンデンサに何もしないと電荷はどんどん失われていき、データもまた消えていきます。

揮発性に分類されるのはこのためです。

これは電源供給している間も絶えず電荷が失われていることを意味するため、作動時には「リフレッシュ」と呼ばれる操作が定期的に必要となってきます。

このリフレッシュとは、データを再書き込みするということ。たとえデータ自体に変更がなくとも、リフレッシュ作業が必須です。

こういった特性から、Dynamicの名前が付けられました。

半導体メモリの中では比較的安価であるため、広く普及している製品です。

SRAMはこのリフレッシュがいらない半導体メモリです。

SRAMにはいくつかの構造が存在しますが、代表的なものはフリップフロップ回路を搭載したものです。

フリップフロップ回路とは順序回路の一種で、電源が供給されている間は0または1の状態を維持し、データ保持し続けることのできるメモリとなります。

リフレッシュがいらないことから、Static(静的)と名付けられました。

SRAMはリフレッシュの必要がないためDRAMと比べて高速かつ高効率です。

一方で回路機構が煩雑になるため集積化が難しく、記憶容量あたりの単価が高くなる傾向にあります。

この高速といった特性から、SRAMはCPUのキャッシュメモリで使われることが多いです。

なお、SRAMもまた電源供給を経つとデータは失われてしまいますが、小型電池と組み合わせることで電源を供給し続け、バッテリーバックアップメモリのような役割を果たすこともあります。

② 不揮発性メモリ

半導体メモリはRMAの場合が多い、と前述しましたが、不揮発性メモリの中にはROMも製品としては一般的になります。

特に歴史があるのはマスクROMでしょう。

マスクROMは集積回路の配線の構造によって記憶内容を設定する半導体メモリです。

すなわち、製造の段階でデータ書き込みが行われ、ユーザーが書き換えを行うことはできません。

この回路を構成する際に使われる半導体は、フォトマスク技術によって製造されています。

ゆえに、この名が付けられました。

ちなみにフォトマスクは簡単に言うと、基板に回路パターンを写真の現像のように転写して製造する技術です。

データ書き換えを想定せずに製造できるため大量生産用途であれば低価格を実現できます。

データ書き換えの必要がない、ゲームソフトや量産品家電で古くから用いられています。

PROM(Programmable ROM、またはOTPROM)とEPROM(Erasable Programmable ROM)も不揮発性の半導体メモリとしては覚えておきたいところです。

PROMは簡単に言うとマスクROMで、データが書き込まれていない状態のメモリです。

ユーザー自身がROMライターによってデータの書き込みを行って使用します。

なお、当然ながら消去や他のデータの書き換えはできなくなります。

EPROMはやはりユーザー自身が書き込みを行うタイプの半導体メモリですが、紫外線や電気的にデータ消去・書き換えを繰り返し行うことが可能です。

紫外線による書き換えはUV-EPROM,電気信号による書き換えはEEPROM(Electrically Erasable and Programmable ROM)と区別して呼びます。

なお、UV-EPROMの方は専用装置を使って直接ダイに紫外線を照射することでデータ書き込みを行います

一方のEEPROMは電界効果トランジスタを用いており、スイッチングによる電圧印加を利用しています。

とは言えこちらも専用のROMライターが必要です。

さらにEEPROMの発展型として1987年に誕生し、2000年代から急速に普及しているのがフラッシュメモリです。

フラッシュメモリはEEPROM同様、電界効果トランジスタを用いた半導体メモリですが、専用装置は必要とせず、ボードに実装したままデータの書き込み・消去が行えます。

また、その速度も格段に早く、かつ寿命がくるまで永続的にデータ保持が可能です。

なお、この「寿命」とは電界効果トランジスタ間を電子が移動する際に通るトンネル酸化膜の劣化です。

トンネル酸化膜が経年で劣化すると電界効果トランジスタから意図せずして電子が漏れてしまい、正常なデータ保持に支障をきたします。

この寿命は製品にもよりますが、トランジスタ間を1,000~10,000回程度電子が通ることでお役御免の一つの目安となるようです。

SSDやUSBは、このフラッシュメモリの一種となります。

3.まとめ

半導体メモリについて解説致しました。

半導体メモリとは半導体によって回路を形成し、電気的制御によってデータを保持するメモリであること。

磁気性メモリ等と比べて高速かつ高効率,そして耐衝撃性に優れていること。

揮発性メモリと不揮発性メモリに大まかに分類でき、揮発性メモリではDRAMやSRAMが、不揮発性メモリではEEPROMやフラッシュメモリ等が広く普及していることをお伝えできたでしょうか。

文中でも述べているように、半導体メモリ市場は今後ますます拡大していくことが予測されています。

実際に扱う方も多いかとは思いますので、適切な製品を選ぶためにも、代表的な半導体メモリは覚えておくようにしたいですね。


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