ハプティック® リアクタは振動フィードバックデバイスです。
振動を生み出す原理はLRA(Linear Resonant Actuator)と同じですが、現在量産中のHybrid Tough Typeは、共振振動方向が2方向あることで触感を得られる周波数帯域は一般的なLRAの2~3倍となります。
ゲームやVR機器のコントローラに搭載すれば多彩な感触をリアルに再現し、没入感・臨場感を高めると共にシーンに応じて最適な振動フィードバックを得る事が出来ます。
*「ハプティック」はアルプスアルパインの登録商標です。
ハプティック® リアクタの基本動作原理
ハプティック® リアクタの基本構造はLRAと同じであり、固定子と振動子の相互作用で力を生み出します。
製品内部に磁石を、磁石と対向する位置にコイルを振動子として配置し、振動子をバネで支える構造となっています。(図1)
コイルに電流が流れるとコイルで発生する磁界の向きと、磁石の磁界の向きから力が発生し、振動子を移動させ振動を誘発しています。(図2)
振動中、コイルに電流が流れなくなると、振動子はバネの反力のみとなり、自由振動となります。(図3)
コイルに流す電流を振動子とバネの共振周波数に合わせて印加することで、わずかな力を振動運動に増幅することが出来るため、大きな振動力を得ることができます。
偏心モータとの違い
偏心モータは最も一般的に出回っている電磁式振動フィードバックデバイスで、主に携帯電話の着信時の振動フィードバックに使用されています。
偏心モータは形状に偏りがある錘をモータの回転軸に取り付け、回転させることで振動を生み出します。
振動力は錘の質量が大きいほど、また回転数が上がるほど大きくすることが出来る反面、振動力と振動の周波数(モータの回転数)を独立に制御することができません。
偏心モータなどの回転形モータは、歯車などの機械装置を併用すれば回転運動を直線運動に変換出来ますが、ハプティック® リアクタなどのLRAは直線運動を直接生み出せるためダイレクトドライブが可能になります。
LRAは振動子がバネで支えられているため他の部品との接触が無く、摩擦などによる力の伝達に依存しないため応答が速く、回転形モータと比較して急峻な感触が得られやすい構造となっています。
Hybrid Tough Type
上記のハプティック® リアクタの基本動作原理を応用し、振動周波数160Hzで横方向に、320Hzで縦方向に振動する、2つの共振点をもつHybrid Tough Typeを開発しました。
Hybrid Tough Typeは振動子を支えるバネをM字形状にすることで2つの方向に共振振動するように設計されています。
バネの横方向と縦方向への振動が独立しているため、それぞれの振動を重ね合わせることができます。
そのため、複雑な入力信号にも対応可能となり、多彩な感触をリアルに再現する事が出来ます。
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