RTC(リアルタイム・クロック)とは?原理・仕組みや用途を解説!

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リアルタイムクロックRTC

RTC、またはリアルタイムクロックという用語をご存知でしょうか。

どのようなものか知っていなくても、私たちの身の回りの電子機器には必ず搭載されていると言っていいデバイスであり、「時刻を告げる」ことが主目的となります。

この時刻を告げるは、ただ単に「今、何時何分か」ということのみを意味しません。

例えばRTCが刻んだ時を基に位置情報を取得する。あるいは決まったタイミングでアクションを行うなど、その用途は多岐にわたります。

この記事では、RTC(リアルタイム・クロック)について解説いたします。

1. RTC(リアルタイム・クロック)とは?

RTC(リアルタイム・クロック)は、電子デバイスが搭載する時計、あるいはその機能を実装したIC(集積回路)を指します。

デジタル回路で「クロック」と呼ぶと周期信号を思い浮かべるかもしれませんが、英語でclockは「時計」も意味しますね。

さらに「リアルタイム」が付くように、ノーストップで現在時刻を刻み続ける時計という意味もあります。

とは言え、パソコンのディスプレイ下ですとか、スマートフォンの待機画面ですとか、そこに表示されている時刻が必ずしもRTCというわけではありません。

なぜならCPUそのものにタイマー機能やクロック機能が搭載されており、RTCがなくとも時刻表示や、タイミング合わせが可能であるためです。

しかも、この機能はきわめて高精度と言えます。

では、なぜ別途RTCが必要なのか。

それは、上記CPUのタイマー・クロック機能は「起動時」、つまり「電源がオンになっている時」にのみ動作し、電源を切ると機能をストップしてしまうためです。

時計は連続的に時刻を刻んでいないと、当然ながら手動で時刻合わせをしなくてはなりません。

今では標準電波(各国の標準時を発信する電波のこと)を受信することで自動的に時刻修正を行う時計も増えてきていますが、屋内で、しかも携帯することが前提ではない電子デバイスだと、そんな受信機能を活用することは現実的ではありません。

そこでRTCの出番です。

RTCはボタン電池など、コンピュータとは別の独立したエンジンを持っており(バッテリー・バックアップ)、本体機器の電源を切ったとしても時間を刻み続け、いつでもリアルタイムの時刻表示を可能としているのです。

そして再びコンピュータの電源を入れる時、コンピュータに備わったタイマー・クロックがRTCから現在時刻を読み取り、それをもとに電源供給がなされている間は自身の機構のもと時間表示を行うようになります。

ちなみに「バッテリー・バックアップは電気代がかからないの?」「電池を交換するのにコストはかかるの?」といった疑問があるかもしれませんが、普通のクォーツ式腕時計と一緒です。

ボタン電池は比較的安価でかつ長寿命なため、きわめて低コストにRTCを稼働させることができています。

なお、こういった役割から、メモリとして用いられることもあります。

2. RTC(リアルタイム・クロック)の原理と仕組み

前項で「クォーツ式腕時計」について言及しましたが、RTCの原理・仕組みは同一となります。

ただ表示機構がアナログではなくデジタルになる、というだけです。

RTCは基本的には水晶振動子と発振回路で構成されています。

この水晶振動子はクォーツのことで、電圧印加を行うと高速で振動する特性を持ちます。

この振動数が高ければ高いほど時計は高精度になりますが、RTCはそこまでのスペックを求められないため、だいたい32.768kHz程度で、月差(一か月にどの程度ズレるか)1分以内となります。

この振動を発振回路でクロック信号に変換し、ディスプレイ上で時刻表示を行う仕組みとなっております。

このRTCはCPUのマザーボードに実装されている場合もあれば、外付けICで搭載させることもあります。

なお、表示は一般的には「西暦」「月日」「時」「分」「秒」です。中には曜日やミリ秒を表示してくれる製品も存在します。

とは言え月には「大の月(31日まである月)」「小の月(30日より前の日付で終わる月)」があったり、うるう年があったりする場合は、手動で修正しなくてはいけないのでしょうか。

答えは否です。

RTCには100年程度先までの暦をプログラミングしてあることがほとんどであるためです。

もっとも、古い個体の中には「2000年問題」や「2010年問題」に直面したものも存在しますが・・・これは「4で割り切れる年」のみうるう年とプログラムしていたり、二進化十進表現によってプログラムが正しい西暦を認識しなかったりすることで起こった障害です。

動力については、前述の通りボタン電池など独立したバッテリーを有していることとなります。

水晶振動子はコンピュータの世界では非常に低速であるため、きわめて低消費電力。

ボタン電池の交換も数年に一度程度です。

また、使い捨ての一次電池のみならず、近年ではスーパーキャパシタなど高性能な二次電池が出回っているため、バッテリーの心配はほとんど必要ないとも言っていいでしょう。

一方でより電力を維持するために、コンピュータ稼働時は商用電源によって駆動する設計が採られたRTCもラインナップされています。

3. RTC(リアルタイム・クロック)の特徴と用途

RTCの特徴は何よりも低消費電力なことです。

また、水晶振動子は比較的に周波数温度特性が優れており、周囲温度が変化した場合でも周波数が安定しています。

一方で水晶振動子から変換されたクロック信号が時刻表示するまでの速度はコンピュータと比べるときわめて遅いため、頻繁にRTCへの書き込みが行われないよう設計されています。

また、RTCは低消費電力が売りですので、複雑なプログラムは設計されておらずシンプル機能となります。

そのためタイムゾーンの読み取りなどは自発的には行えず、ユーザー自身がホームタイムのタイムゾーンを調べ、手動で設定する必要があります。

RTCの用途は基本的にはコンピュータ上の時刻表示ですが、前項でもご紹介したようにバッテリー・バックアップを用いている特性上、メモリにも用いることが可能です。

また、一見時間表示とは関係ないような、タイミング合わせといった役割でもRTCは活躍します。

例えば身近なGPS。電波が受信できない場所にいると、一見正確な時刻表示が難しいように思えるかもしれません。

しかしながらRTCを内蔵することで「最後に電波を受信した時」と「再び電波が受信できるようになった時」の空白時間を算出し、正しい時刻表示を可能にしています。

また、パチンコやポータブルゲームなどで、スタートから一定時刻が経過すると特別な演出が発生したり、イベントが始まったりすることがありますね。

これもまたRTCを内蔵することである程度の時間計測を行い、タイミングを自動で図って行っています。

このように一見シンプルなRTCですが、その用途は様々であり、私たちの非常に身近な機器と言えるでしょう。

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