SiC MOSFET SCT3xxx xRシリーズの購入はこちらから
ローム株式会社は、高効率が求められるサーバー用電源や太陽光インバータ、電動車の充電ステーションなどに最適なトレンチゲート構造のSiC MOSFET 「SCT3xxx xRシリーズ」6機種(650V/1200V耐圧)を開発しました。
今回新しく開発したシリーズは、SiC MOSFETがもつ高速スイッチング性能を最大限に引き出すことができる4端子パッケージ(TO-247-4L)を採用しています。
これにより、従来の3端子パッケージ(TO-247N)と比べ約35%のスイッチング損失削減を実現でき、各種機器の低消費電力化に貢献します。
また、SiCデバイスの駆動に最適なローム製ゲートドライバIC(BM6101FV-C)や各種電源IC、ディスクリート製品を搭載したSiC MOSFET評価ボード「P02SCT3040KR-EVK-001」の提供も開始しており、
簡単にデバイス評価ができるソリューションを提案しています。
今回採用した4端子パッケージは、パワーソース端子とドライバーソース端子を分離できるため、インダクタンス成分による影響を小さくすることができます。
これにより、SiC MOSFETの高速スイッチング性能を最大限に引き出せる。
特にターンオンでの損失を大幅に改善しました。
ターンオン損失とターンオフ損失を合計すると、従来品比約35%の損失低減が図れます。
特長
4端子パッケージ(TO-247-4L)の採用により、スイッチング損失を約35%低減
従来の3端子パッケージ(TO-247N)は、ソース端子がもつインダクタンス成分※2)によりゲート電圧の低下が起こり、スイッチングスピードが遅延する原因となっていました。
今回、SCT3xxx xRシリーズで採用した4端子パッケージ(TO-247-4L)は、パワーソース端子とドライバーソース端子を分離できるため、インダクタンス成分による影響を小さくすることができます。
これにより、SiC MOSFETの高速スイッチング性能を最大限に引き出すことができるため、特にターンオンでの損失を大幅に改善。
ターンオン損失とターンオフ損失を合計すると、従来品比約35%の損失低減が見込めます。
背景
近年、AIやIoTの導入に伴いクラウドサービスへのニーズが高まり、世界的にデータセンターの需要が拡大しています。
データセンターなどで使用されるサーバーにおいては、大容量化・高性能化が進む中、消費電力量をいかに低減するかが課題のひとつとなっています。
一方、これまでサーバーの電力変換回路では、シリコン(Si)デバイスが主流となっていましたが、より損失の少ないSiCデバイスに注目が集まっています。
特にTO-247-4Lパッケージ採用のSiC MOSFETは従来パッケージに比べてスイッチング損失を低減できるため、サーバーや基地局、太陽光発電などの高出力アプリケーションでの採用に期待が高まっています。
ラインアップ
品名 | ドレイン・ ソース間電圧 VDS[V] |
ドレイン・ ソース間オン抵抗 RDS(on)@25℃ [mΩ(typ.)] |
ドレイン電流 ID@25℃ [A] |
ドレイン損失 PD [W] |
動作温度範囲 [℃] |
パッケージ |
---|---|---|---|---|---|---|
SCT3030AR | 650 | 30 | 70 | 262 | -55~+175 | TO-247-4L |
SCT3060AR | 60 | 39 | 165 | |||
SCT3080AR | 80 | 30 | 134 | |||
SCT3040KR | 1200 | 40 | 55 | 262 | ||
SCT3080KR | 80 | 31 | 165 | |||
SCT3105KR | 105 | 24 | 134 |
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アプリケーション
サーバー、基地局、太陽光インバータ、蓄電システム、電動車の充電ステーション 等
評価ボード情報
SiC MOSFET評価ボード「P02SCT3040KR-EVK-001」は、SiCデバイスの駆動に最適なローム製ゲートドライバIC(BM6101FV-C)や各種電源IC、ディスクリート製品を搭載しており、簡単にデバイス評価を行うことができます。
TO-247-4Lパッケージ品はもちろん、同一条件での評価環境を提供するためにTO-247N品の実装も可能です。また、この評価ボードを用いることでダブルパルス試験、Boost回路、2レベルインバータ、同期整流型Buck回路などの評価を行うことができます。
評価ボード品番:P02SCT3040KR-EVK-001
- ローム製 SCT3040KR(1200V 40mΩ TO-247-4L)評価用。回路乗数の変更により、他のローム製SiC-MOSFET評価が可能
- TO-247-4Lだけでなく、TO-247-3Lのスルーホールがあり、同じ基板で比較評価が可能。
- 単一電源(+12Vで動作)
- 最大150Aのダブルパルス試験、最大500kHzのスイッチング動作が可能
- 各種電源トポロジーに対応(Buck, Boost, Half-Bridge)
- ゲート駆動用絶縁電源を内蔵し可変抵抗で調整可能(+12V~+23V)
- ゲート駆動用負バイアスとゼロバイアスをジャンパ端子で切り替えが可能
- 上下アームの同時オン防止、過電流保護機能(DESAT, OCP)内蔵