コンデンサの表記方法

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記号や数字を理解しよう

電子部品にはカラーコードや数字など、何かしらの表記を持つものが存在します。
これは、該当の部品がどのようなスペックを持つかを表します。
耐えられる電圧量や種別などを素早く判別するためには必須。とりわけコンデンサにおいては、静電容量の重要な情報源となります。

この記事では、コンデンサに記されている記号や数字の意味・表記方法を解説いたします。
正しく読み解いてご自身の用途に最適なコンデンサを選びましょう。
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コンデンサの表記で使われる単位

コンデンサの表記には、国際単位系(SI)に準じた単位が用いられます。
SIとはフランス語での同規格の略称で、m(メートル)やkg(キログラム)をはじめとした、度量衡の国際的な統一単位を体系的にまとめたものです。

コンデンサの表記方法で使われる単位はまずV(ボルト)定格電圧(耐圧の最大値)を示すのに使用します。
そしてもう一つがF(ファラッド,ファラド)。コンデンサの性質のうち、最も特徴的な静電容量を表すための単位です。

1Vの電圧をかけたとき、1C(クローン)の電荷を蓄えられる電子部品の静電容量は1Fとなります。
しかし通常電子回路に使われるコンデンサにとって1Fは大きすぎますので、μF(マイクロファラド)pF(ピコファラド)を用いることがほとんど。
なお、μは10のマイナス6乗、pは10のマイナス12乗となり、つまり1F=1000,000μF=1,000,000,000,000pFということです。

ちなみにファラドはマイケル・ファラデー氏というイギリスの化学・物理学者に由来し、同氏からきたファラデーという電荷を表す単位も存在しますが、これは古いもので現在はC(クローン)にとってかわっています。

コンデンサの表記方法を読み解く

コンデンサに表記されるスペックは、定格電圧、静電容量、誤差(許容差)となります。

しかしながらコンデンサの実物を見てみると、形状や種類によっては上記の単位ではなく、数字が並んでいたりVやFとは異なるアルファベットがあったりするかもしれません。
コンデンサに限らず電子部品はパーツが小さいため、特有の表記方法が用いられます。

コンデンサにみられる、定格電圧・静電容量・誤差の表記方法についてそれぞれを解説いたします。

コンデンサの表記方法①定格電圧

定格電圧とは、どれくらいの電圧を印加できるかを示すものです。耐電圧やWV(Work Voltage)とも言われます。
この定格電圧を超えた電流を流してしまうと、コンデンサが破損したり、精度が落ち、本来のスペックを発揮できなくなってしまうため、しっかりチェックすることが求められます。

電解コンデンサや、大きいコンデンサであれば「50V」「100V」と直接表示されていますが、チップコンデンサなどサイズが小さいものに印字することは難しいです。ユーザーも読みづらいでしょう。
そこで、数字とアルファベットを組み合わせた以下のような記号を用いることがよく見られます。

コンデンサの表記方法①定格電圧

まず左列の数から説明いたしますと、これは10のべき乗で、2の時は10の2乗、3の時は10の3乗を表します。0をたくさん並べるスペースはないため便利ですね。また、べき乗「1」は省略されることもあります。
アルファベットは電圧数値の略号として用いられます。
この二つを組み合わせて定格電圧を示し、例えば「0J」であれば6.3Vまで、「2K」であれば80Vまで、を意味します。
ちなみに電圧に関する表示のないコンデンサも存在し、その場合の定格電圧は50V程度だと言われています。

なお、コンデンサに定格電圧ギリギリの数字で印加するのは危険です。
と言うのも、交流は直流と異なり、絶えず電圧が変化しています。そのため100Vを流した、と言っても、必ずしもその電力を保っているわけではありません。
交流における電圧とは「実効値」で表記されます。実効値とは交流電圧の1周期における平均電力や同じ抵抗に直流電圧を加えた場合の電力などを考慮して算出されるものです。
実効値は最大値を示していないことになり、いざ想定電流を流した時、コンデンサの定格電圧をオーバーしてしまう可能性があります。
多くのメーカーでは想定定格電圧を上回る耐電圧試験を製品に課してはいますが、安全性の観点から、実際に使用する電圧の最大値から十分な余裕をとった定格電圧のコンデンサを選択すると良いでしょう。

コンデンサの表記方法②静電容量

コンデンサの最大の特徴は「電荷を貯める」働き。コンデンサが蓄える電荷の量を静電容量と言いますが、定格電圧と同様に単位や実際の数値を省略されることがあります。
よく見られる表記は数字3桁。これが静電容量を表します。

読み方としては、先頭の数字二つが有効数字、三つ目の数字が10のべき乗数で、「先頭の数字二つ」×「10の三つ目の数字のべき乗」=静電容量、ということ。
つまり104と印字されていれば、10×10の4乗=100,000pF。0.1μF示します。
103であれば10×10の3乗=0.01μF、474であれば47×10の4乗=0.47μFとなります。
静電容量の小さいものであれば、1桁や2桁の数字が並ぶものもありますがこれはそのまま。1とあれば1pF、22とあれば22pFといった表記です。
また、Rを小数点として用い、「R10」(=0.1pF)、4R7(=4.7pF)といったように表記することも可能です。

ちなみに静電容量の単位はμFかpFとなりますが、製品自体にこのどちらかが印字されている他、電解コンデンサなど大容量のものを除けば、pFであることが一般的です。

静電容量はコンデンサを構成する絶縁体の種類に加え、その面積が大きく、また金属板を挟む二枚の絶縁体同士の距離が短いほど大きな静電容量を持つこととなります。
かつては大きいコンデンサほど静電容量がある、とも言われてきました。
しかしながら絶縁体をクルクルと巻いたものや、絶縁体と金属板を多層にしたものなど、様々な構造のコンデンサが展開されており、小型化が進んでいます。
近年では、やや大振りなことが悩みであった電解コンデンサに代わる大容量かつ小型積層セラミックコンデンサなどが開発されています。
そのため大きさだけで判断せず、しっかりコンデンサの表記方法を理解し、スペックを把握しましょう。

コンデンサの表記方法③誤差(許容差)

定格電圧や3桁の数字で表す静電容量の他に、アルファベットが印字されているものがあります。
これは、実際の使用における精度のことです。
製造過程でのばらつきや温度変化・経年などによって、コンデンサは表示されているスペック本来の値に届かないことがあります。
もちろん高精度は高い信頼性の証ですが、実現のためにはコストがかかり、パーツ自体の価格が高くなってしまいます。
そこで、「誤差」「許容差」といったものが表記されることがあります。
表記スペックと実際の使用の間のズレを想定したものです。

この誤差もまた、アルファベットで表記されます。
コンデンサで使用されている誤差記号は以下の通りです。

コンデンサの表記方法③誤差(許容差)

誤差は「静電容量の誤差」にあたるので、3桁の数字の後に付けられます。
誤差表記がKより前であれば、神経質になる必要性はないでしょう。

また、過度な温度変化を避ける、機器を実際に使う時の温度変化を考慮したスペックのコンデンサを使うなどしても本来の静電容量を保つことができます。

コンデンサの種類ごとに多い表記方法解説

コンデンサは絶縁体の種類や形状によっていくつかのバリエーションを持ちます。
表記方法もその形状によって異なり、特に統一はされていません。
しかしながら代表的なものもいくつか存在します。
一部をご紹介いたします。

①電解コンデンサ

電解コンデンサは二枚の金属表面に化学反応を起こすことで酸化させ絶縁体の膜を形成させたコンデンサです。
静電容量が大きいことが特徴で、表記方法も非常にシンプルなものが多いです。
特有の記号を使わず、VとμFの数値がそのまま記載されます。
静電容量の単位が無い場合はほとんどがμFなところも大容量が自慢の電解コンデンサならではでしょう。
許容差は大きめとなります。

なお、電解コンデンサは長さの異なる足がついています。
これは極性を示しており、長い方がプラス、短い方がマイナスとなります。定格電圧を超える電流を流したり極性を逆に繋いでしまうと破裂したり発熱する危険性があるので、お気をつけください。
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②セラミックコンデンサ

絶縁体にセラミックを使用することで、小型で熱に強いという特性を獲得したコンデンサです。
小型のため、静電容量はほとんど3桁の数字で表記されますが、小さいものだと1桁または2桁表記もよく見られます。
単位はpFとなります。
定格電圧はありますが高電圧に耐えるというメリットもあり、表記されない場合が多いです。
許容差は大きめとなります。

なお、積層型セラミックコンデンサは極性を有します。
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③フィルムコンデンサ

絶縁体にポリエステルなどのプラスティックフィルムを用いたコンデンサです。
フィルムの種類によって性能に差がありますが、高精度で許容差が低いことが特徴として挙げられます。
静電容量や許容差の他、耐圧も表記されるものがあります。

極性はありません。
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④ポリカーボネートコンデンサ

フィルムコンデンサの一種ですが、表記方法が特殊で定格電圧の小数点をRで表現します。
先ほどご紹介した「4R7」が4.7、といった具合です。
単位はpFを使用することもありますが大容量が特徴なので、μFの場合が多くなります。
なお、定格電圧はそのままV表記で印字されます。

4.コンデンサを含む電子部品の表記方法や数値を決める規格とは

ここまでご紹介した表記ですが、実はその方法や数値は統一規格に準じたものとなります。つまり、あるメーカーが任意のスペックの製品を自由に製造しているのではなく、規格に基づいて決められているのです。

と言うのもコンデンサを始め、電子部品は幅広い人々によってたくさんの機器に使用されます。
統一規格がなければ様々なスペックや表記のコンデンサが氾濫し、どれを使っていいか迷ってしまいますね。メーカーにとっても規格にのっとって製造する方がコストが低く済みます。

日本における電子部品の規格はJIS(ジス)が定めます。
JISはJapan Industrial Standards「日本工業規格」のことです。このJISの規格に準じた製品にはJISマークが取り付けられます。

コンデンサはJISの中のC5062で定められた表記方法が採用され、さらにその静電容量の数値ステップはC5063に準じます。
このステップは等比数列でE乗根√10で表し、Eには3,6,12,24,48,96,192が入ります。
Eに入る値によってE3系列、E6系列、などと呼ばれ、誤差によって入る値が決まります。
誤差±20%はE6系列、±10%はE12系列、超高精度の±5%であればE24系列ということです。

もしこのステップが決まっていなければ、異なる静電容量なのに誤差のせいで範囲が被ってしまう、という事態になりかねません。
例えば±20%の誤差が想定される静電容量1pfのコンデンサは、可能性としては0.8pF~1.2pFまでの範囲があり得ます。もし次のステップのコンデンサを「1.2pF容量、ただし±20%の誤差」として売り出したら、容量範囲は1.44pF~0.96pF。静電容量の差で違いが出ているはずなのに、スペックが同じになってしまっています。
混乱しますし、メーカーにとっても無駄が重なりますね。

このような事例を避ける理由から、誤差に基づいた静電容量のステップがJISによって定められているのです。

ちなみに定格電圧はE系列を採用しません。
電圧は安全性に大きく関わるため、誤差に基づいた判断は危険だからでしょう。

5.重要用語まとめCheck it !

コンデンサを購入・使用するならぜひ知っておきたい、使われる数字や記号の意味。そして定格電圧や静電容量・誤差の表記方法を解説いたしました。
重要用語や表記の復習をかねて、以下のクイズに挑戦してみませんか?答えは一番下をご覧ください。

問題

  1. コンデンサの静電容量を表す単位と、その1/1,000,000、1/1,000,000,000,000に相当する単位とは?
  2. コンデンサに表記される代表的な三つのスペックとは?
  3. 次の定格電圧記号は何Vを表している?
    0J 2K V
  4. 次の静電容量記号は何pFを表している?
    103 104 4R7
  5. 日本における、電子部品のスペックや表記方法を定めた規格とは?

答えはこちら!

  1. F(ファラッド、ファラド)、μF(マイクロファラド)、pF(ピコファラド)
  2. 定格電圧、静電容量、誤差(許容差)
  3. 6.3V 80V 350V
  4. 10,000pF 100,000pF 4.7pF
  5. JIS(日本工業規格)

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