※ロチェスターエレクトロニクス社のPR記事
1970年代に好まれた半導体について振り返り、1970年代を代表する半導体とそのレガシーをご紹介する
「半導体を通して歴史を紐解く」シリーズの第7弾。
今回は「DRAM1103」についてご紹介します。
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インテルDRAM1103の誕生
ロチェスターエレクトロニクス社が紹介する「1970年代の半導体」シリーズ、今回はインテルのDRAM1103です。
多種多様な半導体メモリ製品の中でも、DRAM(Dynamic Ramdom Access Memory)の登場は、電子システムおよび製品の歴史に特に大きな影響を与えました。
1968年、ロバート・H・デナード博士とIBMが1セルDRAMの特許を取得し、このDRAMの概念はすぐに商品化されました。
1969年、ハネウェルはデータを保存するための3つのトランジスタから構成されるダイナミックメモリセルの
コンセプトを考案し、この設計を商品化して大量生産するためのパートナーを探していました。
当初、p-MOS技術によって許容できる歩留まりを達成するのに苦労しましたが、
重要な追加の設計変更(コンタクトの埋め込み)により、歩留まりが劇的に向上し、トランジスタ構造のさらなる小型化が可能となりました。
性能は2ミリ秒に32回の読み出しサイクルにまで向上しました。
半導体設計の見直しを繰り返すことにより生産歩留まりが向上し、
インテルは1970年にDRAM1103 (1kb-1024bytes)を発売することになりました。

半導体メモリの進化
それまでは、磁気コアメモリが業界標準でした。
材料や組立に膨大な時間がかかってしまい、物理的にも大きい磁気コアメモリは、すぐに安価なDRAMにとって代わられてしまいました。
1972年までに、DRAM1103は世界で最も売れた半導体となりました。
この設計は、他の半導体メーカー数社に相互ライセンスされ、利用可能な最初のメモリ製品標準規格の一つになりました。
インテルのDRAM市場撤退と現代のメモリ市場の変遷
1985年にインテルはDRAM市場から撤退しました。
その後、供給は日本、そしてHynixやSamsungといった韓国のメーカーに支配されるようになりました。
今日、DRAMは市場全体で幅広い用途向けに使用されているため、従来の半導体製品の売り手と買い手の関係から、原材料のような扱いで、供給量と価格決定が行われています。
過去を振り返るシリーズの最新版をお楽しみいただけたでしょうか。
ぜひ来月も楽しみにしていてください!
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