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業界トップクラスのノイズ特性と業界最速の逆回復時間を両立
600V耐圧Super Junction MOSFET「R60xxRNxシリーズ」-ROHM

※2023年3月30日ローム調べ

ROHMのR60xxRNxシリーズ

<要旨>

ローム株式会社は、冷蔵庫や換気扇などノイズ対策が重要となる小型モーター駆動に最適な、600V耐圧Super Junction MOSFET※1 “PrestoMOS™(プレストモス)”に、「R60xxRNxシリーズ」3機種をラインアップしました。

新しく開発した新シリーズは、PrestoMOS™の特長である高速逆回復時間(trr※2)特性を継承しつつ、低ノイズ化を実現した製品です。

従来のライフタイム制御※3技術に改良を加えたことで実現した業界最速の逆回復時間40nsは、一般品に比べて約30%スイッチング損失を低減し、機器の電力損失低減に貢献します。

また、新たに開発した独自のSuper Junction構造により、逆回復時間の高速化と背反関係にあるノイズ特性も、一般品に比べて約15dB低減(ローム測定条件下、40MHzでの比較)。

業界トップクラスの特性を達成しているため、機器のノイズ対策工数や部品点数の削減に寄与します。

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<背景>

近年、世界的に電力供給が逼迫しており、機器の省エネ化が求められていますが、世界の全電力需要のうち、モーター駆動が約50%を占めると言われています。

このため、モーター駆動用に電力変換をおこなうインバータ回路では、高効率なMOSFETの採用が進んでいます。

一方で、MOSFET使用時に発生するノイズに対しては、主に部品の追加や回路パターンの変更などで対策がとられており、工数やコストの低減が求められています。

しかし、一般的に電力損失低減とノイズ低減は背反関係にあるため、両立が課題でした。

こうした中、ロームは2012年に業界最速の逆回復特性が特長のSuper Junction MOSFET PrestoMOS™の量産を始めており、機器の低消費電力化を実現することから非常に高い評価を得てきました。

さらに今回、構造の最適化により業界トップクラスのノイズ特性と業界最速の逆回復時間を両立した新シリーズ「R60xxRNxシリーズ」を3機種ラインアップしました。

新製品R60xxRNxシリーズの特長
新製品R60xxRNxシリーズのアプリケーションメリット

<PrestoMOS™とは>

Prestoとは、イタリア語を用いた音楽用語で「きわめて速く」の意味。

ロームのPrestoMOS™は、Super Junction MOSFETの高耐圧かつ低オン抵抗という特長はそのままに、内蔵ダイオードの逆回復時間を高速化した、ロームオリジナルのパワーMOSFETです。

スイッチング損失の低減が可能となるため、エアコンや冷蔵庫など、インバータ回路を搭載したアプリケーションでの採用が進んでいます。

逆回復時間と電力損失の関係

*PrestoMOS™は、ローム株式会社の商標または登録商標です。

<製品ラインアップ>

品番
極性
[ch]
VDSS
[V]
ID
[A]
PD
[W]
*TC=25℃
RDS(on)
(Typ.)
[mΩ]
*VGS=15V
Qg
(Typ.)
[nC]
*VGS=15V
trr
(Typ.)
[ns]
パッケージ
NEW
R6004RND3
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データシート
N 600 4 60 1,330 10.5 40
TO-252
TO-252
< DPAK >
NEW
R6007RND3
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データシート
7 96 730 17.5 50
NEW
R6009RND3
購入はこちら
データシート
9 126 510 22.5 55

パッケージはJEDEC表記です。<>内はGENERALコードを示します。

<アプリケーション例>

  • ◇冷蔵庫
  • ◇換気扇
  • ◇ファンモーター

その他、幅広い小型モーター搭載機器に採用可能です。

<用語説明>

※1)Super Junction MOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field Effect Transistor)
MOSFETはトランジスタの種類を指し、DMOSFET、Planar MOSFET、Super Junction MOSFETなど、デバイス構造の違いにより細分化される。Super Junction MOSFETは、DMOSFETやPlanar MOSFETよりも耐圧と出力電流に優れ、大きな電力を扱う際の損失が少ない。
※2)trr:逆回復時間(Reverse Recovery Time)
内蔵ダイオードがオン状態から完全なオフ状態になるまでにかかる時間のこと。値が小さいほどスイッチング時の損失が少なくなる。
※3)ライフタイム制御
電圧印加時に移動したキャリア(正孔もしくは電子)が、印加をやめた際に再結合するまでの時間をライフタイムといい、半導体の結晶構造に意図的な欠陥を作りこむことで再結合しやすくする技術をライフタイム制御という。

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