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シリアライザ(SerDes)とは?高速データ通信に欠かせない回路を解説!

シリアライザとか、SerDes(サーデス)という言葉をご存知でしょうか。

コンピュータプログラミングの世界で、耳にすることがあるかもしれません。

現在、電子機器において、シリアル信号とパラレル信号は変換され合うことが当たり前。

シリパラ変換とか、パラシリ変換などと呼ばれることもありますね。

この、後者のパラシリ変換を行うための機器または回路が、シリアライザです。

この記事では、シリアライザの役割と用途について解説いたします。

シリアライザとは

1.シリアライザとは?

冒頭でご紹介したように、シリアライザとはパラレル信号をシリアル信号に変換するための機器または回路です。

「シリアライズ(serialize)」、すなわち直列化という英語から来た用語で、名詞serialization(シリアライゼーション)でも通じます。

ここで言うパラレル・シリアルとは、データ通信のフォーマットの分類です。

パラレル通信が複数信号を複数の伝送路を使って一度にデータ伝送することに対し、シリアル通信では信号を1ビットずつ単一の伝送路を使って直列に送り込みます

パラレル通信は信号到達のクロック(タイミング)を合わせる必要があるため、実はあまり高速は出ません。

また、配線(伝送路)の長さによってクロックにばらつき(スキュー)が出てしまうため、設計はそこを考慮しなくてはなりませんでした。

そこで近年では、効率的にデータ伝送を行えるシリアル通信が主流となってきました。

しかしながら、シリアル通信だけを行えば良い、というわけにはいきません。

なぜなら多くの電子機器では、アナログデータを扱うためです。

そこで必要に応じてパラレルをシリアル信号に変換したり、その逆を行ったりすることが求められます。

この時、パラレル信号をシリアル信号にするのが、シリアライザというわけです。

このパラレル・シリアル通信伝送は、ファイル送受信を思い浮かべるとイメージしやすいでしょう。

膨大なデータの送受信を行う時、私たちはしばしば「圧縮」を行います。この圧縮を行うのがシリアライザです。

なお、シリアライザの対義語デシリアライザと呼ばれる機器または回路も存在します。

これは、シリアライズした信号を8ビットや16ビットなどのパラレル信号へと変換する機器または回路のことです。

シリアライザはデシリアライザを一緒に用いた方がより効率的ですし、現在ではセットであることがほとんどです。

なぜなら、圧縮したデータを受信したら、「展開」を行いますよね。こちらがデシリアライザのイメージです。

デシリアライズを行うことでシリアライザを通る以前の信号が復元され、データ送信時と同じ状態から処理を始めることができるのです。

ちなみに、同様にコンピュータプログラミングの世界でシリアライズすると言った時、「逐次化」を指すことがあります。

逐次化は複数のプログラムが同時に書き込まれることを防ぐための動作です。

ちなみに逐次とは「順番に」という意味です。

マルチタスクまたはマルチスレッド対応されていない資源に複数プログラムが送られ同時に書き込まれてしまうと、データに齟齬をきたす可能性があります。

逐次化で一つずつプログラムを処理する仕組みを構築することで、上記のような不具合を防ぎます。

ただし、一般的に「シリアライザ」と呼んだ時は、これまで解説してきたパラシリ変換装置を指すことが多いでしょう。

2.シリアライザ機能を持つSerDesとは

前項でシリアライザの概要について解説いたしました。

しかしながらシリアライザと呼んだ時は、ただ単にパラシリ変換(またはデシリアライザを用いたシリパラ変換)を行うだけでなく、「高速」であることを示唆します。

高速シリアライズ及びデシリアライズのための機器を、SerDes(サーデス)と言います。

ちなみにこれはSerializer Deserializer(シリアライザ デシリアライザ)の略語で、各単語の先頭を繋げてサーデスと発音します。

そもそもデータ通信は、どのように高速化の歴史を辿ってきたのでしょうか。

方法は様々です。

まず、バス幅を大きくすること。

物理的に伝送できるデータ容量を増やし、高速化を図る、というものです。

ただし当然物理的にボリュームも出ますので、回路内での専有面積が大きくなってしまい、また製造コストも上がります。

また、クロックスピードを向上させる、という手法も採られます。

前述の通り、パラレル通信がシリアル通信と比較して高速化に向かない理由は、一つひとつの信号のクロックを合わせなくてはならないためでした。

クロックスピードを上げることでこの問題を解決しようとしましたが、信号品質の低下を招きました。

そんな中において、SerDesが誕生します。

SerDesではシリアライザ側とデシリアライザ側のデータ変換をインターフェースで間で行います。

さらにシリアライズしたデータとともにクロック情報を単一伝送路で一緒に送り、デシリアライザ側でデータとクロックを分離させます。

パラレル伝送の大きな課題であったクロックはデシリアライザ側で復元されるため、大変効率的であるだけでなく、信号品質に影響を与えません。

また、どうしてもパラシリ変換・シリパラ変換に必要だったピンや配線はデシリアライザ側が請け負うので、これらを抑えて小面積にすることができますね。

インターフェースさえあれば、単一伝送路でデータ送受信は行えるのですから。

なお、SerDesは現在様々な分野で用いられています。

一部にはエンコーダ・デコーダ機能を有しているものもあり、コンピュータプログラミングの世界で市場規模を拡大しています。

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3.まとめ

シリアライザについて、また、高速データ伝送に欠かせないSerDesについて解説いたしました。

シリアライザとはパラレル信号をシリアライズする機器または回路であること。

デシリアライザとともに用いられる場合がほとんどで、さらに高速なものをSerDes(サーデス)と呼ぶこと。

SerDesによってデータのみならずクロック情報も単一伝送路で送ることができ、高効率かつ専有面積が小さくて済むといった嬉しい特性があることをお伝えできたでしょうか。

コンピュータプログラミングに携わる方は、ぜひシリアライザについて理解を深めておきましょう。


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