DCコンバータとは?用途や原理・仕組みを徹底解説!

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私たちが電子機器を使う上で、絶対不可欠なものは電源回路(電源IC)です。

なぜならば電源供給がなくてはどんな電子機器も動作させることができないからです。

一般的な電子機器は直流でないと動作できないのですが、実は住宅のコンセントからでる電圧は交流になっています。

そのため、交流を直流にする必要があります。

そこで活躍しているのがコンバータです。

でも実は、直流から直流にするコンバータもあったり、インバータという用語があったり、どの機器がどのような役割を担っているかよくわからないという方もいらっしゃるかもしれません。

そこでこの記事では、コンバータについて徹底解説いたします!

コンバータの用途や仕組みについてご紹介いたしますので、この機会にぜひマスターしてみてくださいね。

1. コンバータとは?どんな用途がある?

コンバータは英語のconvert「~を変える・変換する」の名詞形となります。

つまり変換装置を意味しますが、「コンバータ」と言った場合、交流電源または直流電源から、直流電源を作り出す電子機器を指します。

そこで、あらゆる電子機器には「電源回路(電源IC)」が組み込まれ、ここで交流を直流にならして駆動電力を作り出す仕様となっています。

なお、交流から直流を作り出すことを整流、あるいは順変換と呼び、コンバータは日本語では整流器や順変換装置などと呼ぶことがあります。

ちなみにコンバータとよく似た用語であるインバータは直流電源から交流電源を作り出すもので、コンバータとは逆の働きをすることから逆変換装置と言います。

ここで気をつけてほしいのが、「交流電源から直流電源を作り出す」ものと「直流電源から直流電源を作り出す」ものがある、ということ。

交流⇒直流は上記で解説した通り、商用コンセントから供給される交流電源を、電子回路が駆動させる直流に変換する、というもの。後者と区別して AC/DCコンバータと呼びます。

Alternating Current(AC:交流)⇒Direct Current(DC:直流)というわけですね。

一方で、直流電源から直流電源を作り出す、ということがわかりづらい、と思うかもしれません。

日本国内では、家庭用コンセントから出てくる交流電源は100Vです。しかしながら電子機器は10Vとか15Vとか、もっと少ない電流での駆動が適していることがほとんどです。

また、15Vしか入力電圧がないのに、5V、10V、15Vが必要な電子回路が複数ある、などと言った場合もあります。

そこでコンバータが、直流電源をある回路が必要とする直流電圧に降圧したり昇圧したりする役割があるのです。

こういった性質から、直流電源から直流電源を作り出す機器をDC/DCコンバータと呼びます。

「デコデコ」とか「デデコン」などとも呼ばれます。

AC/DCコンバータはほとんど全ての電子機器に用いられています。

パソコンや携帯電話のACアダプタが有名ですね。

DC/DCコンバータは単体でも利用されるが、上記のAC/DCコンバータの内部でよく利用されます。

C/DCコンバータで作り出した直流電源を、さらに任意の電流に変換させるという役割です。

2. AC/DC電源回路とは?原理と仕組みはどうなってるの?

電源回路はコンバータだけで構成されているわけではありません。

降圧=整流=平滑=DC/DC変換

この構成になっていることが一般的です。

AC/DCコンバータは、上記回路の整流回路に当たる部分となります。

原理・仕組みは、交流100Vの電圧が電源から印加されると、まずもっと低い電圧に降圧します。

これにはトランス(変圧器)が用いられます。

トランスの内部構造は、一つのコアを主軸に、入力側と出力側それぞれに電線が巻かれたようになっています。

つまりコイルが二つある状態ということですね。

入力側コイル(一次コイル)に交流電流が流れると、電磁気学によってコア内の磁場が変化することとなります。

一次コイルと出力側コイル(二次コイル)のコアは共通ですので、二次コイルの磁場も変化します。

一次・二次それぞれの電線の巻き数の比によって入力電圧と出力電圧の関係が決まりますが、交流100Vを降圧したければ二次コイルの巻き数を少なくして、より低い電圧を出すようにします。

ちなみに降圧するためのトランスをダウントランス、昇圧するものをアップトランスと呼びます(海外は日本よりコンセントから出てくる交流電圧が大きいため、海外の家電などを国内で使う場合はアップトランスが必要となる)。

降圧が済むと直流電源に変換、つまり整流しなくてはなりません。

ここでコンバータとして活躍する半導体がダイオードです。

ダイオードは様々な種類がラインナップされていますが、基本的には整流用途で使われてきました。

ダイオードを4つ組み合わせるブリッジ回路構成となっています。

普通、交流は0Vを中心に、プラス側とマイナス側を波がいったりきたりしている状態を指しますね。

ここで整流を行うと、マイナス側にも波及していた波の形が、0Vを中心に折り返したようにプラス側へと反転した波形を描くようになります。

これは全波整流と呼ばれるもので、マイナス側の波が全てプラス側で0Vを軸に反転してしまうため、正極の波形だけを描くこととなります。

これが交流⇒直流の正体となります。

ただ、この整流回路は完全な直流とは言えません。

そこで平滑回路と呼ばれる、コンデンサとコイルで構成した回路を挿入することとなります。

コンデンサは、ある周波数以上の波は通さないと言う、フィルターの役割がありましたね。

ここで必要な周波数の信号だけを通過させることで、波形はよりきれいな直線に近づき、電子回路を駆動させる直流電源となるのです。

電源回路は、おおむねこのような機能を果たしています。

3. DC/DCコンバータを徹底解説!

では、完全に直流電源となった後、必要な駆動電源に昇圧したり降圧したりするのがDC/DCコンバータの役割でしたね。

また、何種類もの直流電源が必要になってくるケースもあるため、AC/DCコンバータが作る直流電源は一通りとは限りません。

例えばコンピュータでは、12V,3.3Vなど、複数の直流電源が必要です。

こういった経緯から、AC/DC電源回路から作られた直流電源は、さらにDC/DCコンバータを通る必要が出てくるのです。

DC/DCコンバータにはいくつかの種類がありますが、大きく分けてリニアレギュレータ型とスイッチング型があります。

1 リニアレギュレータ型

リニアレギュレータ型のコンバータは、最もシンプルなDC/DCコンバータです。主に降圧を目的に使用されます。

リニアレギュレータ(調整器)と呼ばれる、三本の端子を持つ電子部品を使うことがこのコンバータの特徴です。

この端子の一本は入力用、もう一本はGND(グランド)用、そして最後の一本が出力用で使われます。

入力端子から高い電圧が印加された時、レギュレータに抵抗やトランジスタなどの半導体を用いることで電圧降下させ、余分な電圧を熱に変える現象を利用して任意の直流電圧を獲得します。

シンプルゆえに量産が可能で低価格帯製品が多いですが、放熱するので大きな電流を出力させることはできず、せいぜいの環境は1Aほどとなります。

また、不要な電力を捨ててしまうということは効率が良いとは言えませんね。

そこで現在主流となっているDC/DCコンバータが、スイッチング型です。

2 スイッチング型

スイッチング型電源が採用されるようになったのは、1950年代~1960年代頃です。米国のNASAが、もっと低消費電力で高い効率を期待できる電源を所望し、開発に至りました。

当時はまだ有人飛行に成功しておらず、重いロケットを打ち上げるための高効率で、小型軽量。

このような画期的な電源が必要であったことが開発の経緯です。

これ以降、スイッチングを用いた電源回路は、あらゆる産業の主流となっていきました。

そんなスイッチング型のDC/DCコンバータは、スイッチを高速でオンオフさせることで入力された直流電圧をパルス状に区切り、それらをならして平均化させるものです。

スイッチングレギュレータと呼ばれることもあります。

リニアレギュレータと比較すると効率が良く、また、放熱はないため大電流下での駆動が可能となります。

詳しく解説していきます。

基本原理

基本原理としては、前述の通りパルス幅変調(変調・・・信号加工のこと)です。

パルス幅変調はオーディオのアンプなどと言った増幅回路やインバータにも使用される原理となります。

情報を伝える時、信号をそのまま送るのではなく加工することで、よりスムーズに伝送することが可能となりますね。

この変調の手法として、パルス幅変調があるのですが、高速スイッチングによって周波数の異なる電力や信号のパルスを細分化して区切り、それらを組み合わせたりならしたりして任意の電圧を取ることとなります。

区切る様が「切り刻んでいる」ようだとして、チョッパ型と呼ばれることもあります。

このコンバータを使用する時は、回路構成は 整流=平滑=スイッチング回路 となります。

これまでは交流100Vを降圧後に整流・平滑していましたが、スイッチングによってならせばその時点で低い直流電圧が流れるため、特別な降圧回路や機器は不要です。

つまり、降圧の役割を果たすトランスは大型で機器の小型化には向いていなかったため、スイッチング方式が広まると一気に電気製品のダウンサイジングが始まりました。

なお、降圧のみならず昇圧も可能です。スイッチングのオンオフ周期をコントロールすることで任意の電圧を得ることができます。

パルスを利用した原理のため、どうしても若干のパルス状のノイズが入ってしまう、という欠点はあります。

スイッチング素子には高速オンオフが可能なトランジスタやMOS FETなどが用いられてきました。

■降圧型DC/DCコンバータの仕組み

降圧型の方がよく使われています。

スイッチングを担うMOS FETの後にダイオード(整流)とコンデンサ(平滑)が並列に、コイルがMOS FETと直列になった回路構成が一般的です。

コイルはインダクタンス値を大きくする目的でチョークコイルとなっています。

MOS FETによってスイッチがオン状態(パルスがオン)になると入力電源からコイルに電流が流れます。

すると前述した電磁誘導の理論により、コイルに磁界が発生し、電流を阻止するような向きへ自己誘導起電力が発生します。

つまり、抵抗のようにふるまい、チョークコイルにエネルギーが蓄えられます。

次にスイッチをオフ状態(パルスがオフ)にするとチョークコイルに蓄積されていたエネルギーが放出され、今度は電流を流す方向に自己誘導起電力が発生します。つまり出力側に電流が流れていきます。

ここで出力電圧は入力された電圧にチョークコイルで発生した起電力を引いた値となるので、結果として入力電圧よりも降圧するという仕組みです。

オンオフ時間比を調整する(デューティー比を調整する、と言う)ことで任意の電圧を獲得します。このコントロールするための回路を制御回路と呼び、フィードバックとも言われます。

■昇圧型DC/DCコンバータの仕組み

コイルの持つ電磁誘導を利用するという仕組みは降圧型と大きく変わりませんが、昇圧型はチョークコイルと並列にスイッチング用MOS FETをセッティングし、ダイオードとコンデンサが直列に接続された回路構成となっています。

MOS FETをオンにするとコイルがエネルギーを蓄積していることは同様ですが、回路の設計上、オフの時、出力側に流れる電圧は入力電源+コイルが蓄えたエネルギーとなります。

つまり、降圧することとなります。

こちらもオンオフ時間を調整することで任意の電圧を獲得します。

3 スイッチング型コンバータの魅力

なぜスイッチング型DC/DCコンバータが主流となったのか。

それは、やはりリニア式に比べて大きく効率性が向上したことが挙げられます。

これはパルス幅変調を採用したことはもちろん、放熱しないため電力損失がなく、結果として省エネを実現しています。

放熱がないということで、大電流下での使用ができる、というのも嬉しいポイントですね。

また、これまで昇圧はトランスを用いねばならず、機器にボリュームが出がちでしたが、スイッチング型コンバータによって昇降圧どちらも選べるようになりました。つまり、小型・軽量化に成功するようになったのです。

先ほどNASAによる開発について言及しましたが、リニア型ではなかなか実現できなかったこういった魅力は、当時から「画期的」と大きな話題になったのもうなずけますね。

ただ、回路構成がやや複雑でコストがかかる、ノイズが大きいなどの課題もあります。

実際の電子工作は限られたコストの中で行わなくてはいけませんので、ご使用の環境や用途に合った一つを選ぶようにしましょう。

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