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「アルプスアルパイン」タクトスイッチ®静音化のメカニズム

アルプスアルパインのロゴ

会議中のキーボードやマウスの操作音が気になったことはありませんか?
それは電子化が進み静かになった社内でも同じです。

「キーやスイッチには明確なクリック感が必要だが操作音は静かにしたい。」
この相反する課題にアルプスアルパインのタクトスイッチ®は取り組んでいます。

今回はタクトスイッチ®の操作音の静音化の取り組みについてご紹介します。

タクトスイッチ®の操作音のメカニズム

シャープフィーリングとソフトフィーリングのタクトスイッチ®では、シャープフィーリングの操作音の方が大きく、ソフトフィーリングの方が小さくできます。

それは操作音の主な要因がメタルドームが反転して固定接点にぶつかる音だからです。

したがってメタルドームを使わないソフトフィーリングでは操作音がほとんど出ません。

またシャープフィーリングの中でも作動力の大きいものの方が大きな力で固定接点とぶつかるので操作音も大きくなります。

実際に音を聴き比べてください。

シャープフィーリング
(ショートストロークタイプ)
ソフトフィーリング
(ロングストロークタイプ)

ミドルストロークタイプの操作音の静音化

ミドルストロークタイプのタクトスイッチ®もメタルドームを使ったシャープフィーリングである以上ショートストロークタイプ同様操作音は発生します。

むしろ圧縮されたラバーステムの力も加わるのでメタルドームが固定接点にぶつかる音は大きくなる傾向です。

そこでアルプスアルパイン社では、音というものをもう少し分解して考えてみました。

音は、大きく「強さ」「高さ」「音色」の3つの要素に分解できると言われ、「強さ」は音圧(単位:dB)、「高さ」は周波数(単位:Hz)、で表されます(ここでは「音色」は省略)。

そして人間の耳というものは、低い音(低周波)には鈍感で、音が高くなる(周波数が上がる)につれ敏感になり、3,000~4,000Hz近辺が最も敏感だと言われています。

そのためアルプスアルパイン社は、高い周波数帯域の音圧を下げることで静音化を実現しています。

同じミドルストロークタイプの通常品(SKRAシリーズ)と静音品(SKSUシリーズ)を比べてみましょう。

耳に感じにくい低周波領域での音の強さ(音圧)は同じですが、静音品では耳が敏感な周波数領域の音圧を下げているのが分かります。

Frequency characteristic(周波数と音圧について)

では、実際それぞれの操作音を聞き比べてみましょう。

このようにして、タクトスイッチ®では明確なクリックフィーリングを維持しながら静音化も両立しています。

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