【業界初】ゼロクロス検知IC「BM1ZxxxFJシリーズ」を開発 ~白物家電の待機電力極小化と高信頼化に貢献-ROHM

最終更新日

ローム株式会社(本社:京都市)は、エアコン、洗濯機、掃除機などの白物家電に向けて、ゼロクロス検知IC「BM1ZxxxFJシリーズ」を開発しました。

BM1ZxxxFJシリーズ
BM1ZxxxFJシリーズ

ローム社のBM1Zシリーズは、高パワー損失や低精度が課題のゼロクロス検知に対する最適解です。本シリーズはAC電圧のゼロクロスタイミング検知を高精度に出力するICです。

従来のアプリケーションで必要とされていたフォトカプラや外付け部品が不要となるため大幅に部品点数を削減することができ、小型かつ高信頼性の電源アプリケーションの実現に貢献します。
また、従来のフォトカプラ制御と比較すると、大幅な待機電力の削減に貢献します。

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<要旨>

多くの白物家電では、モータ制御やマイコン制御を効率的に行うために、AC(交流)波形の電圧0V地点(ゼロクロス点※1)を検出する回路(ゼロクロス検知回路)が必要とされています。

従来のゼロクロス検知回路では、フォトカプラを使うことが一般的であり、その消費電力はアプリケーション全体の待機電力のうち、1/2程度を占めていました。

新製品は、業界初となるゼロクロス検知が可能なICです。

フォトカプラレスでゼロクロス検知が可能なため、常時通電時におけるゼロクロス検知回路の待機電力を0.01Wまで極小化しました。

また、アプリケーション駆動時においても、フォトカプラを使った従来のゼロクロス検知回路で、AC電圧によってばらつきのあった遅延時間の誤差を、±50µs以下まで極小化しました。

これにより、国ごとに異なるAC電源電圧においても、効率よくモータを駆動することができ、従来のゼロクロス検知回路では難しかったマイコン駆動も可能です。 さらに、フォトカプラを不要としたことにより、経年劣化のリスクも低減されることから、アプリケーションの信頼性向上にも貢献します。

BM1ZxxxFJシリーズによるアプリケーションメリット
BM1ZxxxFJシリーズによるアプリケーションメリット

<背景>

白物家電においては、近年のIoT化加速に伴い、Wi-Fi等で通信を行う機能の搭載が進んでいます。

通信接続維持のためには常時通電が必要なため、家電メーカーでは従来よりも厳しい0.5W程度に待機電力を削減することが求められていますが、モータ部や電源部の待機電力改善はすでに進んでおり、革新的な改善技術の確立が必要でした。

ローム社は、白物家電の回路開発において未着手であった、電源部にあるゼロクロス検知回路に着目しました。

そして、フォトカプラレスでもゼロクロス検知可能なICを開発したことにより、待機電力の大幅な削減を実現しました。

<特長>

BM1ZxxxFJシリーズはフォトカプラレスのゼロクロス検知回路を実現したことで、白物家電の省電力化と信頼性向上に貢献します。

① フォトカプラレスのゼロクロス検知回路が、アプリケーションの待機電力極小化に貢献

従来のゼロクロス検知回路は、フォトカプラやトランジスタで構成され、その待機電力はアプリケーション全体の1/2程度を占めていました。

今回、世界数百パターンの電源と環境を分析したことにより、フォトカプラレスでもゼロクロス検知可能なICを実現。

部品点数の削減に加えて、ゼロクロス検知回路における待機電力を限りなくゼロ(0.01W)としました。

さらに、モータアプリケーションにおいては、モータ入力電圧検知回路も削減することができるため、さらなる待機電力削減と部品点数削減が可能です。

洗濯機を例にした回路比較

② 全ての国の白物家電において、信頼性向上と効率向上に貢献

フォトカプラを使用した場合、経年光度劣化による性能低下などの故障リスクが懸念されます。

今回フォトカプラを不要としたことで、故障リスクを低減するとともに、AC電圧によってばらつきのあった遅延時間の誤差を、±50μs以下まで極小化しました。

これにより、国ごとに異なる電源電圧(100~230V)においても効率よくモータを駆動することができ、従来のゼロクロス検知回路では難しかったマイコン駆動も可能です。

③ 従来のゼロクロス検知回路から簡単に置き換え可能

BM1ZxxxFJシリーズは、従来のゼロクロス検知回路で使用されている回路(通常整流/倍整流)及び波形(Pulse/Edge)に、それぞれ対応可能なラインアップを揃えています。

これによりフォトカプラを使った現行のゼロクロス検知回路からも、ソフトウェア変更不要で簡単に置き換え可能です。

④ 後段のマイコンを保護する「電圧クランプ機能」を搭載

BM1ZxxxFJシリーズは、最大600Vまでの入力電圧に対応し、出力時にマイコンの定格電圧以下に分圧することで、最大定格5Vの一般的なマイコン駆動を可能としています。また、入力電圧が高圧の時、マイコンを保護するために4.8Vを超えないようにする「電圧クランプ機能」を搭載しています。これにより、エアコンなどを対象とした高圧駆動モータを使用するアプリケーションに対応し、異常電圧が発生した場合にも、マイコンを保護することが可能です。

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<アプリケーション例>

エアコン、洗濯機、掃除機など、モータを搭載する白物家電

BM1ZxxxFJシリーズのアプリケーション例

<ゼロクロス検知ICラインアップ>

白物家電の待機電力極小化に貢献するゼロクロス検知ICラインアップについてはこちらになります。

BM1ZxxxFJシリーズは、白物家電で仕様によって使い分けられるPulse波形とEdge波形の2種類に対応しており、従来ゼロクロス検知回路からの置き換えにおいてもソフトウェア変更が不要です。

ROHM社ではあらゆる白物家電に対応できる、下記6品名をラインアップしています。

※型名をクリックするとジャンプします

品名 遅延時間

DCモーター
電圧モニタ

対応回路 Output波形 耐圧 動作温度範囲 パッケージ
BM1Z001FJ +300μs~+500μs 通常整流
倍整流
Pulse 600V -40℃

+105℃
SOP-J7S
(4.90mm
×6.00mm
×1.65mm)
BM1Z002FJ 外付け抵抗で調整可
(-500μs,-200μs,
0μs,+200μs)
通常整流
BM1Z003FJ Edge
BM1Z101FJ +300μs~+500μs 通常整流
倍整流
Pulse SOP-J11
(8.65mm
×6.00mm
×1.62mm)
BM1Z102FJ 外付け抵抗で調整可
(-500μs,-200μs,
0μs,+200μs)
通常整流
BM1Z103FJ Edge

※仕様によって異なる2種類のOutput波形について

Pulse波形とEdge波形についての説明画像
Pulse波形とEdge波形

<評価ボード情報/ラインアップ一覧>

ゼロクロス検知IC評価ボードは、ゼロクロス検知ICを駆動させるための電源を搭載しており、簡単にデバイス評価を行うことができます。

この評価ボードを用いることで、フォトカプラを使った既存回路からの置き換え検討を容易に行うことが可能です。

ゼロクロス検知IC評価ボードラインアップ

BM1Z002FJ-EVK-002の製品画像
BM1Z002FJ-EVK-002
評価ボード品番 搭載品名 機能概要
BM1Z002FJ-EVK-001 BM1Z002FJ ACゼロクロス検知回路(非絶縁)
BM1Z002FJ-EVK-002 BM1Z002FJ ACゼロクロス検知回路(絶縁)
BM1Z102FJ-EVK-001 BM1Z102FJ ACゼロクロス検知回路+DC電圧モニタ(非絶縁)

<紹介動画>

AC電圧ゼロクロス検知IC BM1ZxxxFJシリーズについてご紹介している2分程の動画です。

AC電圧ゼロクロス検知IC BM1ZxxxFJシリーズについて

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<用語解説>

*1) ゼロクロス点

コンセントからAC電源を供給する白物家電においては、モータ制御やマイコン制御を行うためにAC波形の電圧0V地点であるゼロクロス点を読み取るゼロクロス検知回路が必要です。

また、ゼロクロス検知回路においては、ゼロクロス検知の精度を向上させることで、効率の良いモータ制御やマイコン制御が可能となります。

さらに、モータの停止時においては、電圧を確実に0Vで止める、パルスコントロールが回路の安全性に関わります。

ゼロクロス点の説明画像

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ROHMロゴマーク

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