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IoT時代に知っておきたいセンサのこと

「高性能センサ搭載!」

「センサによって夢の技術を実現!」

このような謳い文句を、そこかしこで目にするようになりました。

今やセンサは技術開発に欠かせないデバイスとなっています。

とりわけIoTが急速に普及している現代において、センサが持つ役割はますます拡大の一途を辿っていると言っていいでしょう。

そこでこの記事では、IoT時代にしっておきたいセンサのことを解説いたします!

IoT時代のセンサが用いられている電子機器例

1. センサとは?

恐らく「センサ」と聞いて、何か検知するもの、とイメージする方がほとんどでしょう。

実際、明確な定義はありません。しかしながら上記の通りで、英語のsense「検知」を語源としており、対象物そのものや対象物の量といったデータを検知・計測するデバイスを指します。

そのため検知器といった呼ばれ方もされていますね。

ここで言う対象物は、まさに「ありとあらゆる」もの!

私たちが感じることのできる光や音、温度や湿度はもちろんのこと、磁気や圧力、移動距離や回転角度(ジャイロ)など様々です。

また、製品にもよりますが、私たちでは全く感じないような微細な変化量を精密・精緻に検出することができることもセンサの特徴の一つです。

ちなみに最近では、味覚や嗅覚といった、これまで「実際に感じなくてはわからないだろう」といった対象までをも検出できるようになっております。

ただし、検知するだけで終わるわけではありません。

センサは検知した量や物体を別の信号に変換する、というのが価値の真髄です。

ほとんどのセンサは検知したものを電気信号に置き換え、連動したデバイスや素子でその数値を表示させたり、デバイスのスイッチングを行ったり、別の動作を命令したりすることが可能となります。

例えばスマートフォンには無数のセンサが搭載されていますが、一つにデバイスごと傾けるとディスプレイの向きも横になる、というものがありますね。

これはジャイロセンサと呼ばれる、回転角度を検出するセンサによって実現しています。

ある一定方向異常にセンサが傾くと、画面自体が90度回転するようにした制御回路が搭載されている、という仕組みなのです。

★ジャイロについて詳しくはこちら

なお、センサを構成する素子の主役は半導体となります。

液体や気体の化学組成の変化を利用した化学センサ、微生物の細胞やたんぱく質、核酸などを利用したバイオセンサなども存在しますが、私たちの身近なセンサは半導体で作られています。

半導体によって検出した量を電気信号に変換し、電子回路を組み込むことでデバイスに表示あるいは動作させる、というのが一般的です。

さらに近年では、驚くべきような精度・性能・信頼性を獲得したセンサが流通しています。

半導体製造のMEMS技術の推進が、これに拍車をかけています。

MEMSとはMicro Electro Mechanical Systemsの略称で、簡単に言うと半導体の精密加工によって、センサやアクチュエーター、電子回路を微小なひとまとめのシステムとして構成することのできる技術です。

MEMS技術によってより高性能なセンサ(またはセンサを搭載したアレイやモジュール)が実現することは、より高性能で高機能なデバイスを享受できる、ということです。

2. センサの分類

センサの分類自体に種類が豊富にあります。

最も一般的なものは、「検知する対象」による分類です。

例えば赤外線や放射線、可視光線などを検知するセンサは光センサと呼ばれます。多くの場合、フォトカプラなど受光素子を用いて電気信号に変換します。

圧力や加速度、ひずみなどを検知するセンサは機械量センサです。そのほかには温度センサ、湿度センサ、磁気センサなどが代表的なものとして挙げられます。

また、「物理的な量」と「化学的な量」に分類することも可能です。

物理的な量は光や音(空気の振動)、力や湿度などが挙げられます。言ってみれば、人間が視覚・聴覚・触覚で検出できる類のセンサです。

化学的な量は匂いやガス、濃度や電気信号など、人間の視覚・聴覚・触覚では検出しづらい類のセンサとなります。

その他には接触型センサと非接触型センサもよくある分類です。

接触型はスマートフォンのタッチセンサや体温計などの温度センサのように、対象物に接触させることで使用するものとなります。

非接触型はトイレの照明器具や洗浄などで使われている人感センサなどが有名です。

ただ、ほとんどの場合が「検知する対象物」や「製品の特性」「スペック」などでセンサを選ぶことになりますので、「こういう分類があるんだな」とご理解頂ければと思います。

3. IoT時代のセンサ

冒頭でもご紹介したように、今やセンサはありとあらゆるデバイスで使用されています。

スマートフォンしかり、自動車しかりです。

また、身近なデバイスのみならず、農業や林業といった各種産業や医療、AIやロボット研究など、本当に幅広い分野で利用が見られます。

そんな中で特に重宝されているのが、IoT技術です。

IoTとはInternet of Thingsの略称で、「モノのインターネット」などと訳されます。

例えばご自宅の洗濯機や冷蔵庫などの家電。

あるいはお家そのものが。

または自家用車などの輸送機器といった、通常はインターネットと無縁であったモノに通信機能を持たせ、インターネットを介して情報共有させる、という技術です。

洗濯が終わったらスマートフォンに通知を送ったり、機器類に不具合があったら修理やパーツ交換を促したり・・・ちなみに最近よく見かけるようになったスマートスピーカー(AIスピーカー)なども、IoTの典型です。

このIoT技術で、センサが大活躍しています。

ただインターネットに接続するだけならBluetoothなどを搭載すればいい話ですが、デバイスがどのような環境下にいて、どんな動きをして、どこにいるかなどを正しく検出し、データ化する必要があります。

そのため前述したMEMS技術を始め、高性能なセンサを作ることは、IoT技術を躍進させることに繋がるとあって、各社が意欲的に開発を進めている分野です。

4. まとめ

センサについてご紹介いたしました。

センサとは「検知するもの」といった意味で、対象物そのものや対象物の量を検知・計測するためのデバイスであること。

さらに検知するだけでなく、電気信号に変換したり連動したデバイスの制御を行ったりできること。

その構成に半導体が一役買っていますが、MEMS技術によってさらに高性能で高機能なセンサが開発されていること。

IoT時代において、センサは絶対不可欠なものであることをご理解いただけたでしょうか。

なお、一口にセンサといっても、分類や種類は様々です。

センサを選ぶ際は、「何を検知するか」「どの程度の精度が必要か」「どういった条件下で使用するか」などを考慮することが求められます。

ご不明点・お気づきの点がありましたら、ぜひ当店コアスタッフオンライン(旧ザイコストア)に、お気軽にお問合せください!

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