「パソコン買うなら、とりあえず8GBはメモリが必要だよね」
「パソコンが重くなってきたから、メモリを増設したい」
このような会話の中で、そもそもメモリってなんだろうと思ったことはありませんか?
パソコンやスマートフォンの快適な動作に欠かせない「メモリ」ですが、種類や性能の違いが複雑で、初心者にはわかりにくいものです。
そこでこの記事では、メモリとはどのようなものか、原理・仕組み、規格や相性について徹底解説いたします!
また最新規格DDR5(Double Data Rate 5)の特徴、選び方のポイントも解説しますので、これから機器を購入・アップグレードしたい方もぜひ参考にしてください。
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1.メモリとは
メモリは、英語の「Memory(記憶)」を語源としており、広い意味ではデータを保存するための半導体素子全体を指します。
この中には、自由に読み書きができるRAM(Random Access Memory)と、基本的に読み出し専用のROM(Read Only Memory)があります。
日常的に「メモリ」と呼ばれるものは、主にRAMのことを意味し、「メインメモリ」とも呼ばれています。
これはパソコンやスマートフォンなど、さまざまな電子機器で使用され、作業中のデータを一時的に保存するために使われる重要な装置です。
メモリの働きをイメージするには、「作業台」に例えると分かりやすいでしょう。コンピュータは処理を行う際、すべてのデータをこの作業台の上で扱います。
作業台(メモリ)が広ければ多くの作業を同時にこなすことができ、効率も向上します。
一方、作業台(メモリ)が狭いと同時に扱えるデータ量が限られ、アプリの起動や処理が遅くなったり最悪の場合には動作が停止したりする原因になります。
例えば「メモリは8GB以上必要」と言われるのは、快適な作業環境を維持するために一定の広さが必要だからです。
メモリの容量が不足していると、処理中のデータを補助記憶装置(HDDやSSD)に一時的に移す必要が生じます。
これによりデータの読み書き速度が大きく低下し、パソコンの動作がさらに遅くなる悪循環に陥る可能性があります。
動作の遅延に加え、ファイルが開かない、アプリがクラッシュする、画面がフリーズする、といったトラブルも、メモリ不足が原因となって起こることがあります。
そのため複数のアプリを同時に使ったり、重い処理を頻繁に行ったりする場合には、大容量メモリの搭載が非常に効果的です。
実際「パソコンの性能はメモリで決まる」と言われることも多く、それほどまでにメモリは処理能力と密接に関係しています。
十分な容量のメモリを備えていれば、読み込みや記録の動作が高速化し、複数の作業を並行して行っても快適に使うことができます。
メモリには「揮発性」と「不揮発性」という性質の違いもあります。
例えばUSBメモリやHDD、SSDといった補助記憶装置は、電源を切ってもデータが残る「不揮発性メモリ」です。
一方メインメモリは電源が切れるとデータが消えてしまうため、「揮発性メモリ」と呼ばれます。
パソコンの動作が重くなったときに再起動を行うのは、このメインメモリに一時的に溜まったデータをリセットし、空き容量を確保するためです。
初期化によって不要なデータが削除され、再び快適な動作が可能になります。
2.メモリの原理と仕組み
メモリは内部に多数の半導体素子や回路が搭載された構造を持ち、細かな仕組みは種類によって異なりますが、基本的には複数の「記憶素子」が規則的に並べられた構成をイメージするとよいでしょう。
この記憶素子は「記憶領域」とも呼ばれ、データを一時的に保存するためのスペースとして機能します。
CPU(中央演算処理装置)は必要なデータを取得または更新する際に、特定の記憶素子を指定してアクセスします。
その際CPUは「アドレス信号」と呼ばれる情報を送信します。
これは記憶素子の行・列といった位置情報、いわば「番地」に相当する情報であり、メモリ内のどの場所を使うのかを指定するものです。
アドレスが指定されると、対象の記憶素子に対して「0」または「1」といったビット単位での読み書きが行われ、これによってデータの保存や取得が実行されます。
データを読み取るための信号は「読み込み許可信号(Read Enable)」、書き込む際には「書き込み許可信号(Write Enable)」と呼ばれ、それぞれのタイミングで信号を送ることでメモリが動作します。
このように記憶素子の数が増えるほど多くのデータを保持できるようになり、メモリの「容量」が大きくなります。
メモリはCPUと補助記憶装置(HDDやSSD)の間に入る「橋渡し役」としても重要です。
前述の通り、補助記憶装置は不揮発性であり、電源を切ってもデータが保持されます。
しかしその処理速度はCPUに比べて大幅に遅く、直接やり取りを行うと全体の処理速度が低下してしまいます。
そこで補助記憶装置よりも高速なメモリが間に入ることで、効率的なデータ処理が実現されます。
実際には、必要なデータを一度メモリに読み込み、CPUがそのデータを処理した後、結果を再びメモリに保存します。
この流れによって、CPUと補助記憶装置の直接的なやり取りを最小限に抑え、メモリ上だけで高速な処理が完結するようになっているのです。
このような仕組みにより、現代のコンピュータは複数の作業をスムーズにこなすことが可能になっています。
ただし、メモリは半導体素子を使った電気的な仕組みによって動作しており、電源が切れると内部データは失われます。
この性質から、メインメモリは「揮発性メモリ」と呼ばれます。
なお、メモリには用途や特徴に応じたさまざまな種類が存在します。
それぞれの違いや仕組みについては、次のセクション「メモリの種類」で詳しく解説します。
3.メモリの種類
コンピュータに使われるメモリの中で、もっともきゅうに「代表的なのが「RAM」です。
RAMはさらに、「DRAM」と「SRAM」という2つのタイプに分類され、それぞれに異なる特徴と用途があります。
ここではRAMとその仲間であるDRAM、SRAM、そして補助記憶装置として使われるROMについて、順に解説していきます。
① RAM(ラム)とは
RAMは「Random Access Memory(ランダム・アクセス・メモリ)」の略で、メインメモリとも呼ばれる最も基本的なメモリです。
「ランダムアクセス」とは、任意の場所のデータを直接読み書きできることを意味します。
これはカセットテープやビデオテープのように順番にデータを読み取る「シーケンシャルアクセス方式」とは対照的な性質です。
現代のRAMはほとんどが半導体で構成され、電源が切れると内容が消えてしまう「揮発性メモリ」に分類されます。
そのため一時的なデータ保存を目的としており、頻繁な読み書きが前提となる用途に使用されます。
一般的にパソコンやスマートフォンのスペック表に記載されている「8GB」や「16GB」といった数字は、このRAMの容量を示しています。
② DRAM(ディーラム)とは
DRAMは「Dynamic Random Access Memory」の略で、内部に配置された多数のコンデンサによってデータを保持するメモリです。
コンデンサに電荷が蓄えられていれば「1」、放電されていれば「0」として認識されます。
ただしコンデンサは時間とともに自然に放電してしまうため、データを保持するには定期的なリフレッシュ(再書き込み)が必要です。
この性質から「ダイナミック(動的)」という名称がつけられました。リフレッシュは1秒間に何度も行われるため、一定の電力を消費し続けます。
DRAMは構造がシンプルで高密度に集積できるため、大容量メモリとして適しています。
また製造コストも比較的安価なことから、パソコンやスマートフォンなどのメインメモリとして広く使われています。
一方で、後述するSRAMに比べると動作速度はやや劣ります。
③ SRAM(エスラム)とは
SRAMは「Static Random Access Memory」の略で、記憶素子にフリップフロップ回路を用いてデータを保持します。
フリップフロップは、出力信号を自らの入力にフィードバックさせることで、外部からの操作がなくても安定して状態を維持できる仕組みです。
この性質により、SRAMはリフレッシュを必要とせず、電源が供給されている限りデータを維持することができます。
この「静的」な特性が、「スタティック(Static)」の名の由来です。
SRAMは非常に高速な読み書きが可能で、電力消費も少ないという長所を持っています。
ただしフリップフロップ回路は構造が複雑で、かつ多くのトランジスタを必要とするため、集積度が低く、大容量化には不向きです。
そのため、主にCPU内部のキャッシュメモリなど、高速処理が求められる用途に限定して使用されます。
④ ROM(ロムとは)
ROMは「Read Only Memory(リード・オンリー・メモリ)」の略で、その名の通り、基本的に「読み出し専用」のメモリです。
これまで紹介したRAMとは異なり、電源を切ってもデータが保持される「不揮発性メモリ」に分類されます。
ROMは主にコンピュータの基本的な制御プログラムや初期化処理など、変更の必要がない情報の保存に使われてきました。
ROMにもいくつかの種類があり、その中でも「マスクROM」は代表的な存在です。
マスクROMは、製造段階でデータが書き込まれ、その後の書き換えはできません。
このため一度プログラムを設計すれば大量生産が容易となり、低コストで提供できるという利点があります。
特定用途向けのゲームソフトや家電製品などで広く利用されてきました。
4.メモリの規格
パソコン用のメモリは、他の多くの電子部品と同様に「規格」によって標準化されています。中でも一般的なユーザーにとって最も身近な規格が、「DDR SDRAM(Double Data Rate Synchronous Dynamic Random Access Memory)」です。
現在流通している多くのパソコンやノートPCは、このDDRメモリシリーズのいずれかを搭載しています。
DDRメモリは2000年代初頭に登場し、以降は「DDR2」「DDR3」「DDR4」「DDR5」といった形で世代を重ねながら進化してきました。
なお、一般的には「DDRメモリ」と呼ぶ際に「SDRAM」の表記は省略されるのが通例です。
世代が進むごとに、動作クロックや帯域幅、消費電力、最大容量といった性能が大きく向上しています。
例えばDDR4とDDR5では同じ容量であっても、データの処理速度や効率が全く異なります。
最新のDDR5では、最大転送速度がDDR4の約2倍にあたる6400MT/s(メガトランスファー/秒)以上に達するものも登場しており、高性能CPUや最新世代のGPUとの組み合わせによって、パフォーマンスを最大限に引き出せるようになっています。
ただし注意すべきなのは、DDRメモリの各世代間には物理的な互換性がないという点です。
メモリモジュールのピン数や、スロットに差し込む際の「切り欠き」の位置が異なるため、異なる世代のメモリを混在させたり、対応していないマザーボードに装着したりすることはできません。
正しい規格を選ばないと、メモリが認識されない、あるいは起動しないといったトラブルが発生する可能性があります。
そのためメモリを選ぶ際には、使用しているマザーボードやCPUがどのDDR世代に対応しているのかを必ず確認することが大切です。
2025年の現時点ではDDR5が主流となりつつあり、ハイエンドPCやゲーミングPC、業務用ワークステーションなどではDDR5が標準搭載されるケースが増えています。
一方、DDR4も依然として広く使われており、コストを抑えたい場合や中古PCのアップグレードでは、DDR4が現実的な選択肢となるでしょう。
旧世代のDDR3はすでに市場からは徐々に姿を消しており、対応するマザーボードやCPUも少なくなっています。
そのため、これから新たにメモリを選ぶ場合は、DDR4とDDR5のどちらが自分の環境に適しているかを見極めることが重要です。
次のセクションでは、それぞれの世代の特徴について詳しくご紹介します。メモリ選びで失敗しないためにも、まずは規格ごとの違いを正しく理解しておきましょう。
① DDR規格とは
パソコン用メモリの主流規格として知られる「DDR」は、これまでに複数の世代を経て進化してきました。
2025年現在ではDDR5が最新世代として登場しており、DDR、DDR2、DDR3、DDR4に続く第5世代のメモリ規格として、性能と効率の両面で大きな進歩を遂げています。
DDRとは「Double Data Rate(ダブル・データ・レート)」の略称で、クロック信号の立ち上がりと立ち下がりの両方でデータを転送できる仕組みを意味します。
これにより、1クロックサイクルあたり2回のデータ送信が可能となり、従来の方式と比べて実効転送速度が2倍に向上するという特徴があります。
もともとDRAMの基本規格としては「SDRAM(Synchronous DRAM)」が用いられていました。
これは「同期型DRAM」とも呼ばれ、CPUのクロックに同期して動作することで、従来の非同期型DRAMよりも効率的にデータを扱うことができました。
しかしSDRAMは1クロックにつき1回のデータ転送にとどまり、帯域の限界が課題となっていました。
その課題を解決するために登場したのが「DDR SDRAM」です。
SDRAMをベースにしながら転送効率を劇的に高める技術を取り入れたことで、性能は一気に向上しました。
その後、DDR SDRAMは世代を重ねるごとに、さらに高性能化されていきます。
世代 |
特徴 |
---|---|
DDR(初代) |
2000年ごろに登場。SDRAMの後継として基本的なDDR転送機構を採用。 |
DDR2 |
動作クロックが倍増し、内部アーキテクチャも強化されたことで帯域幅が向上。 |
DDR3 |
さらに高速化が図られ、省電力性能も改善。大容量化にも対応。 |
DDR4 |
2014年以降主流となり、高速性・省電力性・安定性に優れた設計。 |
DDR5 |
2020年以降から本格的に普及が始まり、最大転送速度・データ帯域が飛躍的に向上。 |
なお、DDRメモリの各世代はピン数や電圧仕様、スロット形状などが異なるため、物理的な互換性はありません。
例えばDDR4対応のマザーボードにはDDR3やDDR5のメモリは装着できない仕様となっています。
そのためメモリを選ぶ際には「現在使っているマザーボードがどのDDR世代に対応しているのか」を必ず確認する必要があります。
DDR5は今後の主流となることが見込まれていますが、2025年現在でもDDR4は現役で広く使用されており、特にコストパフォーマンスを重視するユーザーには選ばれ続けています。
このようにDDRメモリの規格は、性能・消費電力・互換性といった観点から世代ごとに明確な違いがあります。
パソコンのアップグレードや自作を検討する際には、それぞれの特徴を理解した上で選択することが重要です。
② 規格の確認方法
「DDR5」は、DDRメモリの第5世代を示す規格名です。
近年ではハイエンドパソコンやゲーミングPCを中心にDDR5搭載モデルが増えており、今後の主流規格として注目されています。
ですが、実際の製品には「DDR5-5600」や「PC5-44800」などの表記があり、何を意味しているのか分かりにくいと感じる方も多いのではないでしょうか。
ここでは、DDR5メモリに記載される数値や用語の意味をわかりやすく解説します。
まず「DDR5-5600」などの表記についてです。
この4桁の数字は「データ転送速度(転送レート)」を表し、「MT/s(メガトランスファー/秒)」の単位で記載されています。
例えば「DDR5-5600」であれば、1秒間に5600メガトランスファーのデータを転送できる性能を持っているということです。
基本的に、この数値が大きいほどメモリの処理速度は速くなります。
この「DDR5-5600」は、いわゆるメモリチップ規格です。対して「PC5-44800」といった表記はメモリモジュール規格と呼ばれ、メモリ全体の理論上の最大転送帯域(バンド幅)を示します。
こちらの数値は「MB/s(メガバイト/秒)」で、例えば「PC5-44800」の場合は、1秒間に最大44,800MB(=約44.8GB)のデータ転送が可能という意味になります。
両者は対応関係にあり、「DDR5-5600」と「PC5-44800」はセットで覚えておくとよいでしょう。
いずれかの表記が分かれば、そのメモリのおおよその性能は把握できます。
次に「メモリクロック」について触れておきましょう。
これはメモリの動作周波数(MHz)を示すもので、クロック数が高いほど1秒間により多くの命令やデータを処理できるようになります。
ただし実際の体感速度にはシステム構成や用途による違いも大きいため、「クロック数が高ければ必ず快適になる」というわけではありません。
また、よく混同されがちな「バスクロック」は、メモリとCPU間のデータ転送を行うバスの周波数を指し、全体の処理効率にも関わりますが最近のパソコンでは自動的に最適化されており、個別に気にする必要は少なくなってきています。
基本的には、「DDR5-5600」や「PC5-44800」といった転送速度(帯域)に関する表記を押さえておけば、メモリの性能はおおむね把握できます。
なお、市販されているメモリモジュールには、メーカー名や規格名、動作クロック、容量、電圧などの情報が記載されたラベルが貼付されているのが一般的です。
購入時や自作PCの構成確認時には、こうした情報をしっかり確認することが大切です。
③ DDR3、DDR4、DDR5とは
DDR5とDDR4、DDR3の仕様をご紹介いたします。
■DDR5
チップ規格 |
モジュール規格 |
メモリクロック (MHz) |
バスクロック (MHz) |
データ転送速度 (MT/s) |
---|---|---|---|---|
DDR5-4800 |
PC5-38400 |
2400 |
600 |
4800 |
DDR5-5200 |
PC5-41600 |
2600 |
650 |
5200 |
DDR5-5600 |
PC5-44800 |
2800 |
700 |
5600 |
DDR5-6000 |
PC5-48000 |
3000 |
750 |
6000 |
DDR5-6400 |
PC5-51200 |
3200 |
800 |
6400 |
DDR5-6800 |
PC5-54400 |
3400 |
850 |
6800 |
DDR5-7200 |
PC5-57600 |
3600 |
900 |
7200 |
DDR5-7600 |
PC5-60800 |
3800 |
950 |
7600 |
DDR5-8000 |
PC5-64000 |
4000 |
1000 |
8000 |
DDR5-8400 |
PC5-67200 |
4200 |
1050 |
8400 |
DDR5-8800 |
PC5-70400 |
4400 |
1100 |
8800 |
よく普及しているのはDDR5-5600、DDR5-6000、DDR5-6400です。
■DDR4
チップ規格 |
モジュール規格 |
メモリクロック (MHz) |
バスクロック (MHz) |
データ転送速度 (MT/s) |
---|---|---|---|---|
DDR4-1600 |
PC4-12800 |
100 |
800 |
1600 |
DDR4-1866 |
PC4-14900 |
116 |
933 |
1866 |
DDR4-2133 |
PC4-17000 |
133 |
1066 |
2133 |
DDR4-2400 |
PC4-19200 |
150 |
1200 |
2400 |
DDR4-2666 |
PC4-21333 |
166 |
1333 |
2666 |
DDR4-2800 |
PC4-22400 |
175 |
1400 |
2800 |
DDR4-2933 |
PC4-23466 |
183 |
1466 |
2933 |
DDR4-3000 |
PC4-24000 |
188 |
1500 |
3000 |
DDR4-3200 |
PC4-25600 |
200 |
1600 |
3200 |
DDR4-3400 |
PC4-27200 |
213 |
1700 |
3400 |
DDR4-3600 |
PC4-28800 |
226 |
1800 |
3600 |
DDR4-4000 |
PC4-32000 |
250 |
2000 |
4000 |
DDR4-4266 |
PC4-34100 |
266 |
2133 |
4266 |
よく普及しているのはDDR4-2133、DDR4-2400、DDR4-2666の3つです。
■DDR3
チップ規格 |
モジュール規格 |
メモリクロック (MHz) |
バスクロック (MHz) |
データ転送速度 (MT/s) |
---|---|---|---|---|
DDR3-800 |
PC3-6400 |
100 |
400 |
800 |
DDR3-1066 |
PC3-8500 |
133 |
533 |
1066 |
DDR3-1333 |
PC3-10600 |
166 |
667 |
1333 |
DDR3-1600 |
PC3-12800 |
200 |
800 |
1600 |
DDR3-1866 |
PC3-14900 |
233 |
933 |
1866 |
DDR3-2133 |
PC3-17000 |
266 |
1066 |
2133 |
DDR3-2400 |
PC3-19200 |
300 |
1200 |
2400 |
DDR3-2666 |
PC3-21333 |
333 |
1333 |
2666 |
よく普及しているのはDDR5-5600、DDR5-6000、DDR5-6400となります。
メモリを選ぶ際は、データ転送速度(例えば「DDR5-6000」など)を意識することも大切です。
ただし、速度が高いメモリを選べば必ずしも体感できる性能が劇的に向上するとは限りません。
特に一般的なオフィス作業やネット閲覧、動画視聴などの用途では、一定の速度を超えると差を実感しにくくなる場合もあります。
また、スペックが上がればそれに比例して価格も上昇します。高性能モデルほどコストがかかるため、用途に見合ったバランスの良いモデルを選ぶことが賢明です。
選択に迷った際は、市場で広く流通しているメモリ規格を選ぶのがおすすめです。
例えば2025年現在であればDDR5-5600やDDR5-6000といった定番モデルが主流で、多くのマザーボードやPCメーカーに対応しています。
流通量が多いメモリは価格も安定しやすく、トラブル時のサポート体制や交換対応が整っている点も安心材料となります。
なお、メモリには世代間の互換性がないことにも注意が必要です。
例えばDDR5対応のマザーボードにDDR4メモリを挿すことはできません。
これは物理的なピン数やスロットの形状、動作電圧などが異なるためで、誤って取り付けようとしても差し込めない構造になっています。
そのため、メモリを購入する前には必ずお使いのマザーボードがどのDDR世代に対応しているかを確認しましょう。
パソコンの仕様書やメーカーの公式サイト、またはUEFI/BIOS情報などで確認することが可能です。
メモリ選びの具体的なステップやチェックポイントについては、次のセクション「メモリの選び方」で詳しく解説いたしますので、併せてご確認ください。
④ インターフェースの規格も要確認
メモリを選ぶ際に忘れてはならないのが、インターフェース(接続端子の形状)の確認です。
たとえ同じ規格のDDRメモリであっても、形状が異なるメモリを選んでしまうと物理的にマザーボードへ装着することができません。
購入前に必ずチェックしておきましょう。
インターフェースの種類は、使用するデバイスのタイプによって決まっています。
例えばデスクトップパソコンの場合は、一般的に「DIMM(ディム)」と呼ばれる標準サイズのメモリモジュールを使用します。
DIMMは「Dual Inline Memory Module」の略で、複数のDRAMチップを1枚のプリント基板上に実装した構造を持っています。
物理的に大きく冷却性や容量にも余裕があるため、自作PCや高性能デスクトップに多く採用されています。
一方ノートパソコンや液晶一体型パソコン(オールインワンPC)では、よりコンパクトな「SO-DIMM(ソーディム)」が使われています。
これは「Small Outline DIMM」の略称で、DIMMを小型化した形状のメモリモジュールです。
限られた内部スペースに対応できるよう設計されており、厚みや長さが抑えられています。
SO-DIMMはノートパソコンだけでなく、小型の組み込み機器や一部の省スペースデスクトップ、ネットワーク機器、さらには業務用プリンタなどにも利用されることがあります。
2025年現在では、デスクトップ=DIMM、ノートPC=SO-DIMMという基本ルールは変わっていません。
どちらの形状もDDR4およびDDR5規格に対応する製品が流通しており、購入時には「規格(DDR世代)」と「形状(DIMM/SO-DIMM)」の両方を確認することが重要です。
誤った形状を選んでしまうと、そもそも装着ができず無駄な出費になってしまいます。
必ずマザーボードやPC本体の仕様を事前に調べ、適合するメモリモジュールを選びましょう。
5.メモリとストレージの違い
メモリとストレージはどちらもデータを記憶する装置ですが、その役割は大きく異なります。
特徴 | メモリ(作業台) |
ストレージ(倉庫) |
---|---|---|
役割 |
一時的にデータを使う場所 |
データを長く保管する場所 |
速度 |
速い |
遅い |
電源OFF |
データが消える(揮発性) |
データが残る(不揮発性) |
容量 |
比較的少ない、高価 |
比較的多い、安価 |
CPUとの関係 |
直接読み書き |
通常はメモリを介して読み書き |
例 |
作業中のアプリ、一時データ |
OS、アプリ、保存したファイル |
例えるなら、メモリは作業台、ストレージは倉庫のようなものです。
作業に必要な書類(データやプログラム)を倉庫(ストレージ)から作業台(メモリ)の上に一時的に広げて作業し、作業が終わったら倉庫に戻す、というイメージです。
作業台が広ければ広いほど(メモリ容量が大きいほど)、同時に多くの書類を広げて作業効率が上がるように、メモリ容量が大きいほど、多くのアプリケーションを同時に快適に動作させることができます。
現在のコンピュータの性能において、メモリは非常に重要な役割を果たしており、容量や速度がシステムの快適性に大きく影響します。
6.メモリの選び方
ここまででメモリの基本についてご理解いただけたかと思います。しかし、実際に「増設したい」と思っても、どのメモリを選べばいいのか迷うこともあるのではないでしょうか。
ここではメモリを購入・増設する前に確認すべきポイントを5つに分けて詳しく解説します。
① パソコンに容量はどれくらい必要か
メモリ容量が多ければ多いほど、同時に複数の処理がスムーズに行えるようになります。ただし、用途に応じた適切な容量を選ぶことが大切です。
用途 |
推奨メモリ容量 |
---|---|
一般的な事務作業/ネット閲覧 |
8GB |
マルチタスク/写真編集 |
16GB |
動画編集/3D処理/ゲーミング |
32GB以上 |
なお、スマートフォンやタブレットは4GB~12GB程度が一般的ですが、PCの用途とは異なるため比較対象にはなりません。 またマザーボードには搭載できる上限容量があり、超えても認識されないため注意が必要です。
② メモリとマザーボードの相性問題
メモリを増設する際は、まずお使いのパソコンのマザーボードがどの規格のメモリに対応しているかを確認しましょう。
マザーボードとは、CPUやストレージ、各種デバイスを接続する基盤で、メモリスロットもこの上にあります。
確認方法としては、以下のいずれかが便利です。
- ◆ 取扱説明書やスペック表の確認
- ◆ メーカー公式サイトで型番から検索
- ◆ システム情報ツール(CPU-Zなど)で仕様を確認
例えば「DDR5-5600、最大64GB」などと記載があれば、DDR5-5600の規格で最大64GBまで増設可能という意味です。
注意点として、対応規格のメモリを使っていても、稀に相性問題で起動しない場合があります。
このようなトラブルを避けるため、「相性保証」付きの製品を選ぶのが安心です。返品・交換対応が可能かどうか、購入時に必ず確認しておきましょう。
③メモリスロットの空きを確認する
マザーボードには通常2~4つのメモリスロットがありますが、すでに全スロットが埋まっている場合増設はできません。
メモリの物理的な取り付けスペースだけでなく、搭載可能な最大容量も確認しておく必要があります。
増設前には以下をチェックしましょう:
- ◆ 現在の搭載メモリ本数
- ◆ スロットの空き状況
- ◆ 1スロットあたりの最大対応容量
これらはPCを開けて目視確認するか、システム情報ツールで確認できます。
④ スペックは高ければ高いほど良い?
DDRメモリの転送速度は「DDR5-4800」「DDR5-5600」などと表記され、数字が大きいほど高速です。
ただし、メモリはCPUやマザーボードの対応クロックに合わせて動作するため、たとえばDDR5-6000のメモリを搭載しても、対応がDDR5-5600までであればその速度でしか動作しません。
この制限を超えて本来の速度で動かすには、「XMP(Extreme Memory Profile)」に対応したメモリとマザーボードが必要です。
XMP対応メモリは「オーバークロックメモリ」とも呼ばれ、BIOS設定から高速動作を有効化できます。
ただし、体感できるほどの速度差が出るかは使用環境によって異なります。価格差があるため、コストやサポート体制を含めて慎重に選びましょう。
なお、新しい規格ほど省電力性や冷却効率にも優れているため、将来的な互換性やサポート面を考えると最新規格の方が有利です。
⑤ 高速化に一役買うデュアルチャネルとは
デュアルチャネルは、同じ容量・規格のメモリを2枚セットで搭載することでデータ転送速度を効率的に高める技術です。
1枚のメモリよりも2枚の同一仕様メモリをペアで使う方が帯域幅(バンド幅)が広がり、パフォーマンスの向上が期待できます。
例えば4GB×1よりも2GB×2の方がデュアルチャネル構成になり、効率的に動作します。
現在では多くのメーカーが2枚1組のセット販売を前提に設計しており、自作PCやメーカー製PCでも標準構成となっている場合がほとんどです。
なお、速度や容量が異なるメモリを混在させると、低いスペック側に合わせて動作する点に注意が必要です。
また、ハイエンド環境では3枚構成の「トリプルチャネル」や、4枚構成の「クアッドチャネル」も存在しますが、一般的な使用環境ではデュアルチャネルで十分と言えるでしょう。
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7.重要用語まとめCheck It!
メモリについてご紹介いたしました。
メモリとはパソコンのメインメモリに当たり、ただ単に記憶するのみならず、作業に必要な情報を読み込むと同時に、それらを記録・保持すること。
そのためメモリの容量がパソコンのスペックの決定打になること。
メモリを増設する際はメモリ自体のスペックのみならず、マザーボードの対応規格が重要なことをご理解いただけたでしょうか。
メモリやその増設の復習を兼ねて、以下のクイズにチャレンジしてみましょう!答えは一番下に掲載しております。
問題
- 十分なメモリ容量をとるメリットとは?
- DRAMとはコンデンサを利用したメモリである。〇か×か?
- 現在最も普及しているメモリ規格を挙げてください。
- マザーボードにメモリをセットしても動作しない。どんな原因が考えられる?
答えはこちら!
- パソコン動作のスピードアップ、スムーズな処理など
- 不揮発性メモリ
- 〇
- DDR4
- 相性問題、初期不良など
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