半導体の材料として、「シリコン(Si:Silicon/ケイ素)」がよく利用されます。
シリコンの原子核の周りには、14個の電子が回っています。この14個の電子は、K殻に2個、L殻に8個、M殻に4個、配置されています。
ここで、K殻には2個、L殻には8個、M殻にも8個の電子が配置されている状態が「電気的に安定している状態である」と考えてください。
ということは、シリコンの場合、M殻に4個しか電子がないのであと4個の電子が不足する状態にあります。
シリコンとシリコンが結晶を作る場合、M殻にお互いが持っている4個の電子を、お互いに共有することで、お互いにM殻に8個の電子があるのと同じ状態を作ることができます。
この状態のシリコンの結晶中の電子は安定するため、ほとんど電気伝導に寄与することができません。
これが純粋な半導体の状態で、「真性半導体(Intrinsic Semiconductor)」と言います。
このシリコン単結晶に不純物を添加して結晶をつくるとどうなるでしょうか。
「リン(P:Phosphorus/燐)」の原子はシリコンよりも1つ電子が多く、シリコン単結晶に添加すると、1つ多い電子が自由に動ける電子(自由電子)となります。
もともと電子とは電気的にマイナスの性質を持った粒でしたので、自由電子があるということはマイナス(Negative)の電気的な性質を持った半導体ができたということになります。
この半導体を「N型半導体(Negative Intrinsic Semiconductor)」と言います。
また、シリコンよりも電子が1つ少ない原子である「ボロン(B:Boron/ホウ素)」を添加した場合はどうでしょうか。
M殻に1つ電子が不足しますので、半導体の結晶に電子が不足している穴があることになります。
この穴には近くから自由電子が飛び込んできます。
そしてその自由電子があったところがまた穴となり、そこに別の自由電子が飛び込むということが繰り返されます。
これによって、結果的に電気伝導があったことになります。
この半導体には電子が不足していますので、マイナスが不足している状態であるということは、プラス(Positive)の電気的な性質を持った半導体ができたということになります。
この半導体を「P型半導体(Positive Intrinsic Semiconductor)」と言います。
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