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半導体を通して歴史を紐解く
~半導体の遺産:1970年代の私たちのお気に入り~
シリーズ5:オペアンプμA741

※ロチェスターエレクトロニクス社のPR記事

1970年代に好まれた半導体について振り返り、1970年代を代表する半導体とそのレガシーをご紹介する
「半導体を通して歴史を紐解く」シリーズの第5弾。

今回は「オペアンプμA741」についてご紹介します。

RochesterElectronics<ロチェスターエレクトロニクス>のロゴ画像

オペアンプ μA741とその背景

ロチェスターエレクトロニクス社が紹介する「1970年代の半導体」シリーズ、
今回はオペアンプ μA741を取り上げます。

μA741は、フェアチャイルド社のDave Fullagar氏が設計したもので、先日紹介したオペアンプ LM108より
わずか1年前に発売されたものです。

ちなみにこのLM108は、1969年にナショナル・セミコンダクター社に在籍していたBob Widlar氏が設計した半導体製品でした。

オペアンプの標準を築いた歴史

μA741は一番最初に製品化されたモノリシックオペアンプではありません。

最初の製品としての名誉を受けたのは、1963年にBob Widlar氏が設計したμA702です。

このμA741は、LM108ほど高性能ではなかったですが、使いやすさを追求した結果、半導体製品である
オペアンプを標準的な回路構成部品として普及、定着した製品として評価されています。

μA741が他社の製品に比べて使いやすかったのは、30pFの周波数補償用コンデンサをオンチップで内蔵して
いたからです。

現在では、業界の常識となっていますが、当時はフェアチャイルド社のプロセス技術だけが製品化が可能でした。

この使い勝手の良さから、μA741はオペアンプの代名詞となり、最も人気のあるオペアンプになりました。

μA741の代表的な存在とその派生製品の進化

そうしてこのμA741は、オペアンプの代表的存在となり、
各社からシングル、デュアル(モトローラ社製 MC1558/1458:独立したモノリシックオペアンプ2回路搭載)
およびクアッド(モトローラ社製 MC4741や、ナショナルセミコンダクタ社製LM148 :独立したモノリシックオペアンプを4回路搭載)と呼ばれる派生製品が製品化されました。

それほどμA741は画期的な製品であったため、何世代にもわたって後継となる製品が生み出され、
現在でも簡単に置き換えが出来る、ピンコンパチブルな製品が、開発されてます。

アナログ・デバイセズ社は、1973年に性能を向上させたAD741を発表しました。

ここで注目すべきは、このμA741という製品が、バイポーラ・アナログ回路設計の教科書で、設計構造が
お手本とされるほど、μA741は地位を確立していました。

μA741とその派生製品の供給と再生産の現状

ロチェスターエレクトロニクス社は、現代においても広く普及していて、オペアンプ製品として象徴的なμA741とその派生した製品について、シングル、デュアル、クアッド構成の製品を、膨大な数のプラスチックおよび気密封止パッケージの完成品在庫を持ち、製品によっては、継続供給のための再生産を実施しています。

「1970年代の半導体」シリーズ最新作をお楽しみいただけましたでしょうか。

来月も楽しみにしていてください!