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半導体を通して歴史を紐解く
~往年の名機モトローラ6800が蘇る~
シリーズ2:モトローラ6800プロセッサ

※ロチェスターエレクトロニクス社のPR記事

1970年代に好まれた半導体について振り返り、1970年代を代表する半導体とそのレガシーをご紹介する
「半導体を通して歴史を紐解く」シリーズの第2弾。

今回は「モトローラ6800プロセッサ」についてご紹介します。

RochesterElectronics<ロチェスターエレクトロニクス>のロゴ画像

モトローラMC6800プロセッサの登場とその技術背景

Motorola_MC6800_history

ロチェスターエレクトロニクス社が好んだ1970年代の半導体の一つは、
モトローラ6800プロセッサとその周辺機器です。

1974年にモトローラからMC6800プロセッサと周辺機器が初めて市場に登場しました。

この年は、インテルも8080プロセッサを発表した年でした。

この製品群の開発が始まったのは、なんと50年前の1972年に遡ります。

3インチまたは4インチのウェハ、1層のメタルで構成されるNMOS技術など、
どのようにしてこれらのプロセッサや周辺機器が作られたのかを考えてみると驚かされます。

この時代の重要な寸法は6µmで、性能はおよそ2MHzでした。

モトローラMC6800の復活と驚異的な価格

50年後の現在、同じ価格で約3桁の高密度化を実現し、およそ300ドルという驚異的な価格を実現しています。

これは、MC6800が発売された当時の価格とほぼ同じです。

MC6800は4,100個のトランジスタを持ち、回路図も製作も1つ1つ手書きで行いました。

下図は、ロチェスターエレクトロニクス社にあるモトローラのオリジナルMC6800の回路図の一部です。

MC6800 Schematic

MC6800プロセッサの命令セットと周辺機器の概要

MC6800は72工程の命令(回路図に命令デコーダの一部を示す)で197個のオペコードを生成し、
16ビットのアドレスバスで64KBのダイレクトメモリーアクセスが可能でした。

当時の技術としては、Intel社の8080プロセッサで実装されたものと非常によく似た最先端のものでした。

モトローラにとって、これは当時としては斬新な技術でした。

MC6800の周辺機器としては、MC6810(128バイトRAM)、MC6850(通信インターフェースアダプタ)、
MC6820(PIA)などがあります。

ロチェスターエレクトロニクス社がMC6800を復活させる

ほとんどの周辺機器(MC6850、MC6821、MC6840)は、MC6802やMC6809といった
この8ビットファミリーの後続プロセッサと同様に現在ロチェスターエレクトロニクス社で入手可能です。

第2回目である、この過去を振り返る連載を楽しんでいただけていれば幸いです。