ロームの高電圧用(600V~)パワーMOSFET製品にはスーパージャンクション技術を採用しています。
この技術によって、高速スイッチングと低オン抵抗な製品を実現しており、アプリケーションの損失を低減する事ができます。
ロームでは低ノイズ仕様、高速スイッチング仕様の2種類の製品をラインアップし、お客様の好みに合わせて提案できます。
さらにPrestoMOS™シリーズは、ロームの特許技術により業界最速クラスのダイオードを内蔵した製品で、SuperJunction MOSFETが苦手とするモータ・インバータの省エネ化に特化したデバイスとなっています。
目次
ロームのSuperJunction MOSFETをオススメしたい3つの理由
①お客様のニーズに合わせた3つのシリーズを展開
②各シリーズで幅広いオン抵抗、パッケージをラインアップ
③高性能かつ高品質、サポート体制も充実
高速ダイオード内蔵 600V耐圧SuperJunction MOSFET「PrestoMOS™」R60xxJNxシリーズ
エアコン、冷蔵庫などの白物家電のモータ駆動やEVの充電ステーションに最適で、業界最速の逆回復時間(trr)を維持しながら、設計自由度を向上する600V耐圧のSuperJunction MOSFET“PrestoMOS™(プレストモス)”に新たに「R60xxJNxシリーズ」30機種をラインアップしました。
シリーズ | VDS | ||
---|---|---|---|
600V | 650V | 800V | |
低ノイズ仕様 | R60xxENx | R65xxENx | – |
高速スイッチング仕様 | R60xxKNx | R65xxKNx | R80xxKNx |
高速ダイオード内蔵 (PrestoMOSTM) |
R60xxJNx | – | – |
5つのパッケージからお選びいただけます
シリーズ | パッケージ | ||||
---|---|---|---|---|---|
表面実装タイプ | 挿入実装タイプ | ||||
TO-252 [DPAK] |
LPTS [D2PAK] |
TO-220FM | TO-3PF | TO-247 | |
低ノイズ仕様 | R60xxEND3 | R60xxENJ | R60xxENX | R60xxENZ | R60xxENZ4 |
高速スイッチング仕様 | R60xxKND3 | R60xxKNJ | R60xxKNZ | R60xxKNZ | R60xxKNZ4 |
高速ダイオード内蔵 (PrestoMOSTM) |
R60xxJND3 | R60xxJNJ | R60xxJNZ | R60xxJNZ | R60xxJNZ4 |
幅広い用途で採用頂き、特性面はもちろん品質面・サポート面でも高い評価を頂けております
高速ダイオード内蔵(PrestoMOS™について)
PrestoMOS™とは?
PrestoMOS™はSuperJunction MOSFETの寄生ダイオードをローム独自の特許技術によって高速化した製品です。一般的に、SuperJunction MOSFETの寄生ダイオードは、その特徴的な内部構造が原因で通常のMOSFETに比べてリカバリー性能が悪化してしまいます。そのため、インバータやブリッジ型のPFC回路のような、寄生ダイオードを積極的に使用する回路ではSuperJunction MOSFETを使用できませんでした。
しかし、PrestoMOS™では寄生ダイオードを高速化することでSuperJunction MOSFETの弱点を克服し、モータ駆動用のインバータやブリッジ型の回路を使用するアプリケーションの省エネ化に大きく貢献できます。
近年の省エネ化の流れによって、インバータに広く用いられるIGBT+FRDの組み合わせをPrestoMOS™で置き換える例が増えてきており、抜群のリカバリー特性によりアプリケーションの省エネ化にご協力できています。
■ダブルパルス試験を用いたPrestoMOS™のデバイス特性の優位性実証についてはこちら
■R60xxJNxシリーズによる位相シフトフルブリッジ回路の電力変換効率向上についてはこちら
■MOSFETの仕様書に記載している用語説明についてはこちら
第三世代PrestoMOS™ R60xxJNxシリーズ
Drive Voltage 15V
Package | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|
TO252 | LPTS | TO220FM | TO3PFF | TO247 | ||
Ron typ (mΩ) |
1100 | R6004JND3 | R6004JNJ | R6004JNX | ||
720 | R6006JND3 | R6006JNJ | R6006JNX | |||
600 | R6007JND3 | R6007JNJ | R6007JNX | |||
450 | R6009JND3 | R6009JNJ | R6009JNX | |||
350 | R6012JNJ | R6012JNX | ||||
220 | R6018JNJ | R6018JNX | ||||
180 | R6020JNJ | R6020JNX | R6020JNZ | R6020JNZ4 | ||
140 | R6025JNX | R6025JNZ | R6025JNZ4 | |||
110 | R6030JNX | R6030JNZ | R6030JNZ4 | |||
90 | R6042JNZ4 | |||||
– | R6050JNZ | R6050JNZ4 | ||||
45 | – | R6070JNZ4 |
特徴① 業界トップのリカバリー特性
ロームのPrestoMOS™シリーズは、ローム独自の特許技術によって寄生ダイオードを高速化しており、重要特性の逆回復時間 (trr)は業界最速を誇ります。しかし、通常はダイオードの高速化によって急峻な電流変化が発生し発振が大きくなる傾向があります。
第三世代PrestoMOS™ R60xxJNxシリーズでは構造最適化によりリカバリー時の発振を起こしにくい製品に仕上げております。これにより、お客様の発振対策の手間を簡略化できます。リカバリー時の発振でお困りのようであれば是非お試し下さい。
特徴② 使いやすさを追求
ロームのPrestoMOS™シリーズは、モータ駆動用のインバータやブリッジ型の回路での使用を想定しており、これらの回路では高い短絡破壊耐量とセルフターンオン抑制が必要とされます。短絡破壊耐量が少ない場合はMOSFETが破壊に至る可能性が高まり、セルフターンオンが発生した場合は電力損失が大きくなります。
第三世代PrestoMOS™ R60xxJNxシリーズでは内部構造の調整によってこの2つの課題をクリアできております。
競合他社の最新世代品と比較しても業界トップレベルの短絡破壊耐量を保持できており、より安心してお使いいただけます。
また、セルフターンオンが抑制されているため、動作時の電力損失も最小化することができております。