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トランジスタ(PNP/NPN)の記号と基本回路

トランジスタの記号について

「トランジスタ」は、PN接合の組み合わせ方法によって、「NPN型トランジスタ」と「PNP型トランジスタ」に分類されます。N型半導体がP型半導体を挟むように接続されたトランジスタが「NPN型トランジスタ」、また、P型半導体がN型半導体を挟むように接続されたトランジスタが「PNP型トランジスタ」です。それぞれで電流の流れ方が違いますので、回路の作り方も異なります。
どちらの「トランジスタ」にも製品の型名がついていて、それによってどんな「トランジスタ」なのかがわかるようになっています。トランジスタ製品を探す

※半導体の型名の付け方
数字+S+文字+数字[+文字]
・最初の数字
電極(ピン)の数を表します。
1:有効電極数2→ダイオード
2:有効電極数3→トランジスタ・FET
3:有効電極数4→4極トランジスタ・FET(ゲートが2つあるもの)
・2番目のSは、Semiconductorの頭文字を表します。
・3番目の文字は、種別を表します。
A:PNP型高周波用
B:PNP型低周波用
C:NPN型高周波用
D:NPN型低周波用
F:サイリスタ
H:単接合トランジスタ
J:P形チャンネルFET
K:N形チャンネルFET
M:トライアック
・4番目の数字は、JEITA(社団法人 電子情報美術産業協会)への登録番号を表します。最大4ケタの番号です。
・5番目の文字は、原型から変更したものと区別するときにつける添字を表します。
(例)型名「2SC1890A」
→NPN型高周波用トランジスタで、JEITAに1890番目に登録されたものの改良型です。
・最初の「2S」は省略されていることもあります。

トランジスタの回路について

トランジスタは電気の流れをコントロールする部品ですので、信号を増幅したり、回路のオン/オフを切り替えたりすることができます。

①増幅回路

電源から供給されたエネルギーを入力された電気信号で制御し、大きな出力の電気信号に変換する働きを持った電子回路のことを言います。

②スイッチング回路

ベース電流によってコレクタ電流を制御できることを利用して、ベース電流がすごく小さいときは回路をOFFに、ベース電流がある量よりも大きく流れるときに回路をONにするということができます。

記号(PNP)について

N型半導体を二つのP型半導体で挟み込んだものを「PNP型トランジスタ」と言います。挟み込まれた半導体を「ベース」と呼びますので、「PNP型トランジスタ」での「ベース」はN型半導体になります。挟み込んでいる半導体をそれぞれ、「コレクタ」、「エミッタ」と呼びます。
「PNP型トランジスタ」では、「ベース」から流れ出る電流を増幅します。つまり、「ベース」の電位を下げると「エミッタ」から「コレクタ」へ電流が流れることになります。
ベース電流:「エミッタ」から「ベース」へ電流が流れます。
コレクタ電流:「エミッタ」から「コレクタ」へ電流が流れます。

記号(NPN)について

P型半導体を二つのN型半導体で挟み込んだものを「NPN型トランジスタ」と言います。
「NPN型トランジスタ」では、「ベース」から「エミッタ」に向けて流れ込む電流を増幅します。「ベース」から電流を流し込むと、「コレクタ」から「エミッタ」へ電流が流れるようになります。
ベース電流:「ベース」から「エミッタ」へ電流が流れます。
コレクタ電流:「コレクタ」から「エミッタ」へ電流が流れます。